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インタビュー・対談岡山市経済局長 渡邊憲明氏

地元経済界との連携を強化 政策能力向上で政令市実現

 岡山市の経済局長に、前企画局長の渡邊憲明氏が就任した。2年後の政令市移行を控え、“県都”の経済活性化を目標に、県や地元経済団体との連携を強化する一方、“高谷改革”の最大の目玉「事業仕分け」で対象に上がっている市民農園「牧山クラインガルテン」など赤字施設の収支改善、指定管理者との齟齬(そご)が生じた国民宿舎「おかやま桃太郎荘」の跡地問題と課題も山積している。渡邊氏に抱負と方向性を聞いた。

政令市に向けての経済課題は。

 観光活性化、医療福祉産業の集積、農産物の地産地消と「ブランド化」推進の3つです。4町編入で拡大した市域の特徴を生かし、市単独で事業を進めるのではなく、県や(財)岡山県産業振興財団、市内の経済団体との連携を強め、役割分担を図りながら、「中四国の経済活性化」という共通の目標を達成したいと思います。政令市を目指す以上、政策能力の向上が求められ、現場職員は今でも一生懸命頑張っていますが、さらなるレベルアップが不可欠です。

経済団体との連携も欠かせません。

 岡山商工会議所との人事交流のほか、岡山経済同友会の例会参加を通じて、地元財界との連携強化の必要性を実感しています。今までは、「岡山を活性化したい」という共通認識を持ちながらも、行政と民間企業では方法論が異なるケースも見受けられましたが、まちづくりなど企画立案の段階から協議の場を設け、コミュニケーションの充実を図ることで、お互いの立場が分かり合えると思います。友好提携都市との経済交流も、産学主導で活発化しつつあり、市も積極的に情報提供に努め、地場企業の海外進出をお手伝いできればと考えています。

地場産業育成も不可欠です。

 教育機関や福祉施策が充実してこそ、企業誘致が進むと思うので、市内の大学やベンチャーなどを交えた産学官連携のコーディネート役を担うとともに、医療福祉産業の拠点づくりを進め、新産業育成と大手企業の研究・営業拠点進出を後押ししたいと思います。農業面でも、白桃やブドウだけでなく足守のゴボウや牟佐の黄ニラ、藤田のレンコンなど全国に誇れる農産品が数多くありますので、生産者やJAと連携し、食べ方提案も含めた情報発信に努めていきます。

公共施設の赤字が続いているが。

 平日に「牧山クラインガルテン」を訪れましたが、多くの市民に活用してもらっています。利用者は年々減少傾向ですが、高齢者が足を運ばなくなった一方、団塊世代の大量退職で、土いじりに興味を示す方々の潜在需要が見込めると思います。担当課が現在、運営方式や募集形態の見直しを研究しており、新規顧客開拓への仕掛けづくりも必要です。「表町三丁目劇場」も、市内の多目的ホールと違って“飲食フリー”であることのPRが足りず、もっと市民に幅広く利用してもらえると考えています。両施設とも「都市機能」の一環であり、市民の選択肢の1つとしての活用策を模索している最中です。

「桃太郎荘」の跡地利用策は。

 国民宿舎としての再開は難しいと思います。漏水などで1億円以上の修繕費がかかりますが、不良個所を調べればもっと上乗せされるので、解体、売却などあらゆる可能性を考えた上で、跡地利用策を検討していきます。

指定管理者との食い違いが表面化したが。

 建物と土地の所有者は市ですが、休業するにあたり、指定管理者との協議の場を設けるべきだったと思います。市は法的解釈に基づき閉館手続きを進めましたが、現場は再建に向けて頑張っていたので、契約解除は一方的と受け止められても仕方ありません。今後も休業補償を巡り、指定管理者との協議が続きますが、誠意を持って話し合いに臨みたいと考えています。

わたなべ・けんめい
 昭和49年中央大学文学部を卒業し岡山市役所入庁。経済局商工観光部次長、企画局総合政策部長を経て、平成18年企画局長に就任。2年ぶりの経済局復帰。56歳。

本誌:2007年5.14号 19ページ
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