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インタビュー・対談岡山県産業労働部長 小野隆夫氏

県産業の基礎づくりに全力 「総合力」で企業誘致を促進

  • 小野隆夫氏

 岡山県の産業労働部長に小野隆夫氏が就任した。企業誘致、観光PRなど、県情報発信の「最前線」となる東京事務所長からの就任は、前任の西満寿男氏(現・政策審議監)と同じコース。内向きになりがちな本庁組織にあって、外から見た経験を生かし、新たな県の産業基盤づくりのけん引役を担う小野氏に、就任に当たっての抱負と、19年度の重点施策などを聞いた。

●部長就任の抱負は。

 産業労働部は県内産業の基礎づくりをする重要な部で、就任に当たり石井知事からは「企業誘致の経験もあり、(東京事務所長時代に)外から見た目を生かしてほしい」と言われた。景気動向はある程度持ち直しており、このチャンスを逃さないように全力を尽くさないといけない。県政運営の指針である「新夢づくりプラン」に位置付けた盛りだくさんの施策で成果が出せるよう、部を挙げて取り組みたい。

●このところ県内への企業立地は好調に推移している。

 誘致がどん底だった平成11年度から2年間、企業立地課長を経験したが、このところの誘致実績は今までの努力と、好調な景気に支えられたものだろう。交通インフラ、充実した補助制度、誘致体制など、県庁一丸となった取り組みは東京でも評価が高い。

●一方で、念願のナショナルブランド誘致は実現していない。

 長らく景気の成長局面が続き、企業の間には「踊り場感」もあり、大企業を地方へ誘致するには従業員の生活などさまざまな課題も多い。企業誘致に一発逆転はなく、タイムリーな情報を提供し、粘り強く足を運ぶなど地道な活動が必要だ。

●実際に東京で企業誘致に携わった印象は。

 関東圏の企業が生産拠点の拡充を検討する場合、ベストは既存施設の拡張、それが無理であれば近隣への移転、次が同程度の通勤時間で通える圏内への移転―となる。地方への移転を考える場合、従業員とその家族が快適に暮らせるための生活インフラ、交通、本社へのアクセス、そして優秀な下請け企業の存在など「総合力」が求められ、その点で岡山は恵まれている。また、県が重点分野に位置付ける「ミクロものづくり岡山」の拠点となる工業団地開発が浅口市内で計画されており、総合流通センター、リサーチパークに続く特定分野に特化した団地は新たなセールスポイントになるだろう。

●そのほかにも19年度の施策は盛りだくさん。

 労働集約型の繊維産業の新分野進出、販路開拓促進を図る「繊維産業ルネサンスプロジェクト」、人口減少時代の到来を受け産学官連携の組織や民間団体、金融機関、教育機関を巻き込んだ「産業人材育成」のほか、「バイオマス自動車プロジェクト」では木質由来のバイオエタノール燃料だけでなく、自動車の内装材としてバイオマスプラスチック活用に取り組む。岡山発のバイオマス自動車を走らせたいと思っている。

●観光、企業誘致など、今後の情報発信戦略は。

 東京事務所長時代、岡山ゆかりの著名な経済人は多忙でありながら時間を割いて会ってくれた。それは、皆さんが岡山の情報を知りたがっているためで、まだまだ情報を十分発信できていないことを痛感させられた。せっかくある組織をうまく使わない手はなく、本庁で決まったことはできるだけ早く情報提供し、プレゼンに役立ててもらう。観光キャンペーンなど、細かい日程まで決まっていないものでも情報提供しておけば、正式決定後にまた足を運ぶためのネタにもなる。一生懸命やっていれば、成果は上がらなくても必ず何かがつかめるはず。


 小野隆夫氏(おの・たかお) 岡山市出身。昭和48年岡山大学教育学部を卒業し、同年県庁入り。企業立地課長、用地課長、監理課長、土木部次長、知事室長、東京事務所長などを歴任。58歳。

本誌:2007年5.14号 17ページ

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