WEB VISION OKAYAMA

連載記事

[年金] 非常勤の取締役は老齢年金が満額支給?

Q 今度、60歳を機に、跡取りに会社を譲ることにし、代表取締役社長を退任しようと思っています。ただ、取引先等の関係もあり、当分は非常勤の代表取締役でいようと思います。また、知人から「非常勤の取締役は年金が満額もらえる」と聞いたのですが、厳しい世の中なので、是非、そうしたいと思っています。どうでしょうか。

代表は無理

A まず、厚生年金保険法では、「適用事業所に使用される70歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする(第9条)」となっています。つまり、厚生年金保険の適用事業所に使用される者は、その事業所が強制適用事業所であるか任意適用事業所であるかを問わず、また、本人の意思、国籍、性別などに関係なく、70歳未満の者は適用除外(法第12条)に該当しない限り、すべて被保険者とされるということです。このことから、これらの被保険者を「当然被保険者」と呼んでいます。また、使用されるものとは、必ずしも事業主との間に法律上の雇用関係を必要とはせず、報酬の支払関係、労務の提供の有無、人事管理の有無等によって実態的に判断されます。したがって、会社等の法人における理事、監事、取締役、代表社員等は、民法又は商法の規定では、法人に使用される者とは解されませんが、厚生年金保険法の適用では、法人から労務の対価として報酬を受けている限り、その法人に使用される者と解されます。法人でない社団又は組合の総裁、会長及び組合長等その団体の理事者の地位にある者も同様の取扱いをします。

 ご質問の非常勤の取扱ですが、パート等の加入基準と同様に、「通常の労働者の所定労働時間及び所定労働日数のおおむね4分の3以上である就労者については原則として健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取り扱う(S.55.
6.6各都道府県保険課(部)課長あて内かん)」が適用され、おおむね4分の3未満であれば、適用がありません。

ただ、S24.7.28保発74号の通達で「前略 今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。 後略」とされています。

つまり、非常勤の取締役(おおむね4分の3未満)だけなら、厚生年金の被保険者でなくなるので、特別支給の老齢厚生年金を支給されますが、代表取締役のままでは、厚生年金の被保険者なので、年金を満額もらえないということになります。勿論、報酬が低ければ満額もらえる可能性はありますが。

本誌:2008年夏季特大号 0ページ

PAGETOP