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[時間外手当] 時間外手当をくれない

Q 我社の営業社員から「時間外手当は出ないんですか?」と質問がありました。我社では営業手当を支給していますので、時間外手当を出していると解釈しています。それで、いいのですよね?

要件をみなせば、みなし時間外手当

A まず、前回もお話しましたが、時間外割増は、労働基準法第37条に「使用者が,労働時間を延長し,又は休日に労働させた場合においては,その時間又はその日の労働については,通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。」とされています。ご質問では、「営業手当が支給され、時間外手当を出していると解釈している」ということですが、確かに行政解釈にも、「労働者に対して実際に支払われた割増賃金が法所定の計算による割増賃金を下回らない場合には、法第37条の違反とはならない」(昭24,1,28基収3947号)とした、法律の定める計算方法によらない別の計算方法によっても適法とされてるものもあり、ご質問のような、みなし時間外手当(定額時間外手当)として営業手当を支給し、時間外手当を支給しているという解釈も妥当だと思います。但し、判例等(三好屋商店事件・関西ソニー販売事件等)からは以下のことに注意しておかないと、単に、割増賃金の算定基礎に含めることになりますので記載します。

●就業規則に営業手当が、みなし時間外手当(定額時間外手当)に該当する旨が記載されていること。

●営業手当が、実際の時間外手当(割増賃金)を超える場合は、その差額を支払うことを就業規則に明示すること。

●営業手当が何時間分の時間外手当(割増賃金)にあたるのかを労働契約書等に明示すること。

●賃金台帳にみなし時間外手当(定額時間外手当)として計算された金額がいくらなのかを記載すること。

また、以上の整備がされてなく、これから整備するのであれば、社員にとって不利益な変更とならないように、社員に十分説明し、個々に合意を得る必要があると思います。

双田社会保険労務士事務所所長
双田 直氏
岡山市野田4-1-7
TEL086-245-6064

本誌:2008年夏季特大号 43ページ

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