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巻頭特集中国研究―企業進出

133社が178拠点を開設 定期路線開設機に再び増加

  • 現地の拠点には岡山からの視察も多い(大連市、倉敷化工)

 岡山県がまとめた県企業の海外事業展開状況によると、平成19年末で163社が305拠点を開設。このうち中国は133社、178拠点に上り、圧倒的な潤・の進出先。改革開放政策を受け、安い労働力を求めてものづくり企業などの進出が相次いだ結果だ。

 全事業所に占める中国の割合を見ると、平成7年以前は46.4%(52カ所)だったが、8年以降では65.3%(126カ所)とウエートが急上昇。岡山と上海を結ぶ定期路線が10年6月に週2往復で就航し、さらに14~16年にかけて同3往復、同4往復、デイリー化と充実。これと歩調を合わせるように、12年以降は毎年2ケタの事業所開設が続いている。

 共産党一党独裁の国でビジネスを行う上のさまざまなリスクを回避するため、投資を分散させる「チャイナ・プラス・ワン」という考え方も広がりつつあるが、やはり直行便の存在は大きいようで、新たな投資先として注目されるベトナムの拠点は19年までで5カ所にとどまっている。

 「一昔前の見方はさまざまだったが、今や共存の時代。中国なくして日本の産業は成り立たない」と指摘するのは(財)県産業振興財団の青井賢平理事長。その上で、中小のものづくり企業が相手にのみ込まれないため「常に技術で一歩先を行く必要がある」と強調する。中国国内でも急速な経済発展に伴い地域格差は拡大し、上海などでは人件費が年々上昇。同財団が昨年、大連市へ派遣した造船分野に特化した経済ミッション参加企業の中には「上海では部材の調達価格が急騰しており、コストダウンを進めるため参加した」との声もあった。

 同じ中国国内でも、より投資効率の良い地域にシフトする動きが強まっているわけで、県が2月、大連市などに開設した「ビジネスサポートデスク」には、委託加工先の照会や現地でのアテンド、法令に関する問い合わせなど、7月23日現在で14件(大連のみ)の相談が寄せられるなど好調な滑り出しを見せている。オイルマネーで潤うロシアも視野に、定期便が就航した同市を含む東北地方(遼寧省、吉林省、黒竜江省)などへの注目が今後さらに高まる見通し。

 ちなみに、中国から岡山県への企業進出については、航空会社などを除き「把握しているケースはない」(県産業企画課)そうで、この分野では完全な「出超」状態にある。

本誌:2008年夏季特大号 4ページ

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