WEB VISION OKAYAMA

ジャーナルトマト銀行 前社長 吉田忠明氏

寄稿: 岡山について思ったこと 感じたこと

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

(株)トマト銀行(岡山市)会長の吉田忠明氏が退任した。
同氏は1992年から14年間にわたり社長を務め、バブル崩壊後の不良債権処理や金融ビッグバンへの対応に取り組んだ。
一方で営業改革と意識改革を断行、「地域密着」を掲げた経営を推進した。
昨年、中川隆進現社長にバトンを渡してからは、自ら1年限りと決め会長にとどまっていたが、6月28日の株主総会で退任、7月1日には、東京の自宅に転居した。
“第2の故郷”という岡山への思いを寄稿していただいた。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++


[1]カール・ブッセの詩 ~山の彼方の地にあこがれ~

 私は、山陰は鳥取の山間部に生まれた昭和一ケタ世代の古い人間です。因美線で山を越えれば津山に出られました。山陰の冬は厳しく、まさに当時は「雪国」でした。病弱の子であったこともあり、早くこの地を去りたいという思いが、勉強に励んで東京への道を進ませました。

 よって子どもの時は、カール・ブッセの詩(上田敏訳)の「山のあなたの空遠く『幸』住むと人のいふ」の思いで県境の山を仰ぎ見ていました。

[2]祖先の地・岡山 ~過大評価と違和感~

 それだけ劣等感に近い感じを持っていた地に祖先が住んでいたと祖父から聞いていました。国替えで移住したと。

 ご縁があって岡山に16年前に職を得て奇縁を感じました。当然一歩身を引いて岡山の皆さんと付き合いを始めたわけですが、それだけに岡山を課題評価した部分と、やや違和感を感じた部分があったでしょう。

[3]故郷との違い ~独立独歩の気風、弊害も~

 まずお国自慢をしない気風に戸惑いました。戸惑ったというのは、その裏にはかなりの「自信」が隠れているからです。次に、徒党を組まない独立独歩の気風で、それだけに話がまとまりにくいなと。また、思ったことをかなりはっきり言われるので、話が早い反面、人当たりがきついなと。これは近代的という前衛的な面の反面、唯我独尊に陥るリスクがあるのかなと。

[4]都会か田舎か ~偉大な田舎・名古屋が手本~

 岡山の将来についていろいろな議論があります。私は突き詰めて言えば、開放的な都会を目指すのか、内向きの田舎を目指すかだと思います。名古屋を偉大な田舎と見るのであれば、岡山にとって最高の教師になるのではないでしょうか。

本誌:2007年7.9号 16ページ

PAGETOP