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ジャーナル島のこし

火山灰で魚の灰干し  北木島の工場完成

 火山灰を使い魚の灰干しの商品化を進める(株)島のこし(笠岡市北木島町9768-29、柚木義和社長、資本金300万円)が笠岡諸島の北木島に整備していた工場が、11月18日に完成した。

 もともと笠岡諸島の島おこしに取り組むNPO法人かさおか島づくり海社(鳴本浩二理事長)の事業で試作品づくりなどの準備を進めていたが、営利目的となるため、今年7月に新たに同社を設立し事業母体としたもの。島の産業振興、観光振興、高齢者雇用など多方面で期待されている。

 新工場は、石材会社の(株)グローバル・ストーン(鳴本浩二社長)の遊休施設内に地元産の石材を使い整備。冷凍庫や包装機械などを設置した。

 火山噴火の被害を受けた伊豆諸島の三宅島の灰が固まった火山れきを北木島に持ち込み、現地の石材技術で粉状に加工し灰干しに使う。一方、魚貝類は市場出荷できない端数の鮮魚を活用する。工程は内臓を取り除き塩水に漬けセロハンと布に包む。さらに火山灰で覆い冷蔵庫(5℃)で2日間熟成。灰が鮮魚の水分を吸収し、魚の臭みが取れうま味が増し、天日乾燥にはない柔らかさを出すと言う。真空パックした後、冷凍保存し出荷する。作業は当初島民5人程度で行う。

 第1弾はタイ、キス、アジなどを商品化。小売価格5000円程度の贈答品を中心に高級品として売り出す方針。その後、スズキ、イカ、タコなど順次追加し商品群を充実させる。

 当初は関西の生協に600パック程度を試験的に納入し、モニタリング調査を実施。並行してネット販売も含め販売ルートの構築を進めブランド化を図る方針。

 そのほか、工場内には灰で造ったプレートでバーベキューコーナーを設置。灰干し作業の体験プログラム提供と合わせ、観光振興にもつなげたい考え。

 同事業の開発は、三宅島復興を進めている早稲田エコステーション研究所(東京都)からの要請が契機。同研究所では火山れきを粉砕する施設を持つ北木島に目を付けたもの。また、同研究所の音頭取りで、北木島、三宅島、山形県酒田市の飛島の3島で三宅島の灰を使った灰干しづくりに取り組むようになったという。

 同事業は、岡山県の農商工連携支援「あぐりトライアングル推進プロジェクト」の21年度助成対象事業に採択されている。

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