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インタビュー・対談三菱自動車工業(株)水島製作所所長  加藤英治氏

中東持ち直し2交代復活  電気自動車で歴史変わる

  • 加藤英治氏

 三菱自動車工業(株)水島製作所(倉敷市)の生産台数が徐々に回復してきている。11月2日には乗用車ラインで2交代制を復活させたほか、期間工など500人を増員した。また、6月に量産が始まった話題の電気自動車も好調だ。不況前の水準への完全復活はまだまだだが、最悪期を脱した。同製作所の加藤英治所長に現状と今後の見通しなどを聞いた。

 (聞き手:顧問 猪木正実)


 「一部中東からの受注が回復」

 水島製作所の生産台数は昨年末からの大減産から徐々に回復してきています。特に乗用車は世界同時不況の影響で落ち込み1~6月は月平均7000台でしたが、7月から一部中東からの受注が持ち直し、月9000台となりました。その後、8月に1万台回復、11、12月は2万台弱を見込んでいます。そのため、乗用車ラインで11月2日から夜勤を再開し昼夜2交代制に戻しました。人員も期間工を中心に500人増員しています。

 「収益性の高い生産活動を」

 昨年度の生産台数は46万1000台。今年度は当初42万台の予想でしたが、ロシア、中東の回復が予想より遅く33、34万台になる見通し。まだまだ予断を許さない状況ですが、前向きにいろいろなことを進めたい。来年度は好況時の60万台は無理ですが、44、45万台の水準にはと思っています。体質を強化して収益性の高い生産活動をしていきたいですね。

 「走行性能や安全面も評価」

 電気自動車「i-MiEV(アイ・ミーブ)」の生産は順調です。今年度は2000台の生産計画ですが、9月末までに自治体や企業などに600台を納車しました。納入先では大変満足され車の稼働率は高いと聞いています。石井正弘知事からも「静かで爽快感がある」とおっしゃっていただきました。環境面に加え動力行性能や電池の安全面など商品力の高さが評価されたと思っています。来年度は5000台の計画で、4月から一般ユーザー向けの販売が始まることから、一部輸出も含めて既に1500台の予約を獲得しています。

 「一般への普及でコスト減へ」

 6月に生産を立ち上げた時に「水島製作所から自動車の歴史が変わる」と社員に訴え一丸となって取り組んできました。現時点では電池の価格が高く車の販売価格が高いが、今後普及が進めば電池メーカーの設備増強、量産化が進みコストは下がると思います。9月に開かれた気候変動サミットでの鳩山由紀夫首相の温室効果ガス排出量25%削減という演説も後押しとなり期待できます。

 「協力企業との絆より太く」

 ㈿ウイングバレイ(総社市)をはじめとする協力企業とは今まで一心同体でやってきました。今回の大減産を通してお互いに体質強化に取り組み乗り切ってきました。それにより絆がさらに強まったと思います。

 「リタイア後は海外旅行へ」

 リタイアした後、カンボジアとニューギニアへ行こうと決めています。カンボジアのシェムリアップという街は、私たちの子供のころの昭和30年代の雰囲気がそのまま残っています。ニューギニアは太平洋戦争の激戦地です。私は戦記物が好きでニューギニア戦に関するものもよく読みましたので、ぜひ行ってみたいです。

 (かとう・えいじ)

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