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巻頭特集岡山市中心部スーパー商戦

大手2社の競合で激戦必至 「新鮮市場きむら」進出で警戒感強まる

  • 着々と工事が進むイオンモール岡山

 イオンモール㈱(千葉市)の岡山市中心部進出を1年後に控え、商圏内の総合・食品スーパーが危機感を強めている。㈱イトーヨーカ堂(東京都)の既存店とは500mほどしか離れておらず、同社とイオングループが近くで競合する倉敷地区同様にし烈な商戦が避けられない上、生鮮を強みとする「新鮮市場きむら」の岡山市進出が追い打ちを掛ける。イオンモールの開業を控え、岡山市中心部とその周辺で既存店の改装、サービスの充実といった動きが広がっている。

●大手2社競合
イオン来年開業へ工事順調 ヨーカ堂は改装に前向き

 イオンモールが2014年11月オープンを目指す大型商業施設「イオンモール岡山」は、約4万6000㎡の敷地に、鉄骨地下2階地上8階(延べ約25万㎡)の規模。物販部分に飲食、サービス部分を含めた総店舗面積は約8万8000㎡にも及ぶ中四国最大規模の巨艦だ。

 直営部分にはグループのイオンリテール㈱(千葉市)が出店し、衣料・食品・住居関連をフルラインアップで扱うものとみられる。専門店350店も徐々に固まりつつあり、飲食や雑貨関連など地元企業が多数出店することが決まっている。広域集客を目指すイオンモールの中で、直営食品売り場では日々の買い物客の利用が欠かせず、周辺店舗との競合は避けられない状況だ。

 イオンモール進出で影響を受けるのが、ライバル・イトーヨーカ堂の岡山店(岡山市北区下石井2-10-2)。店舗面積約2万㎡と規模ではイオンモールに大きく水を開けられるため「対抗策の打ちようはないが、距離が近く集客効果も期待したい」(成岡宏幸店長)としている。同店は今年になり絶好調。3月以降マグロの販売を強化した刺し身や、カルパッチョなどの生食加工が好調なため鮮魚が2ケタ増のほか、衣料も引き続き好調。今年1月に店長が交代して以来、毎月抽選会やライブなどのイベントを実施してきたこともあり、30~40歳代の家族連れが増え、年配者中心から客層が変わってきたという。2014年2月期上半期は増収増益で推移しており「今期実績を伸ばすことで来期の改装につなげたい」(同店長)と言う。

 イトーヨーカ堂棟北側のテナント棟では今夏契約更新期を迎え、撤退したボウリング場、カラオケ店の後継店がすんなり決まったほか、移転のわさもあったアミューズメント「セガ・ジョイポリス」と契約更新し、不安材料だったテナント棟の更新問題を乗り切ったことも明るい材料になっている。

●新規参入
きむらが中心部周辺に進出 多店舗化に弾みつける店に

 流通大手2社にひるむことなく、岡山市中心部周辺への出店を決めたのは、香川県を中心に食品スーパー「新鮮市場きむら」12店を運営する㈱きむら(高松市)。2014年4月に、同市内1号店の「岡山大供店」(仮称)をオープンする。

 出店予定地は、イトーヨーカ堂岡山店から500m南西の岡山市北区大供本町1151他。4655㎡の敷地に、鉄骨平屋の店舗(1731㎡)を建設し、同社の標準規模よりもひと回り小さい店舗面積1166㎡を計画。特徴である「市場ゾーン」を設け、野菜を山積みにして販売するほか、魚を1尾丸ごと陳列販売。精肉でも独自の仕入れルートを築き、総菜を含めた生鮮品の売上構成比が70%を超えるのが強みだ。

 飲食店などの業者の利用を見込み、営業時間は午前7時~午後10時と開店時間を早めに設定した。JR岡山駅から約2㎞と中心部に近い立地でありながら、駐車場は66台分を確保。半径3~5㎞圏内をエリアに、中心部からの集客も見込む。将来的に年間売上高12億円超を目指す。

 イオンモールと同じ2014年の出店になったが、同社では「岡山での多店舗化を進める中で、出店の時期が重なっただけ」(木村宏雄社長)と強調する。岡山県でのドミナント展開を進める中で「今後の出店に弾みをつけたい」と並々ならぬ意欲を見せる。

●商戦予測
傾向は倉敷中心部と類似 大手競合余波で値崩れも

 2014年11月の岡山市中心部の商戦を予測する上で、参考となるのはアリオ倉敷進出後の倉敷市中心部の商戦。2011年11月のアリオ倉敷のオープン後、既存のイオンモール倉敷とJR倉敷駅周辺の山陽マルナカを中心に、生鮮品などで低価格競争が進んだ。アリオ内のイトーヨーカ堂食品館倉敷店では「オープン後の半年間は、生鮮品では利益が出ない状況だった」(須賀秀人店長)と振り返る。岡山市中心部では、イオンモールが参入する形で倉敷とは立場が逆転するが、須賀氏は「岡山でも確実に価格競争が進む」と予測する。両社の価格競争は倉敷市中心部にも波及した。

 倉敷地区では、㈱わたなべ生鮮館(岡山市)が2012年8月に「倉敷駅前店」を閉店した。業界筋では「近郊からの集客を見込める立地の新鮮市場きむらが年商12億円を達成すれば、中心部周辺でスーパーのとう汰が進むことになる」とみる。

 イトーヨーカ堂の西側では、両備ホールディングス㈱(岡山市)が、10月下旬にも、新業態の都市型ミニスーパー「森のマルシェ」をオープンする。岡山市北区桑田町3-13の両備ボウル敷地内で、店舗面積283㎡の店舗を建設中。周辺にマンションが集積していることから、買い回りしやすさを強みに近隣住民の利用を見込む。

 ㈱天満屋ストア(岡山市)ではイオンモール進出をにらみ、昨年から岡山市内の店舗で改装を進めており、10月下旬に改装オープンする「原尾島店」でほぼ一巡する。市内中心部の食品スーパーでも、3月に「ハピーズミニ表町店」、7月に「ハピーズ岡山駅前店」を改装した。

 岡山市中心部とその周辺でミニスーパー4店を運営する㈲フレッシュワン(岡山市)は、購入した商品のお届け宅配サービスを展開。自転車や徒歩での来店客が多く客単価が抑えられるミニスーパーにあって、客単価アップにつながっているという。岡山市内では来年にかけて、生き残りをかけた改装やサービスの充実などが進む。

本誌:2013年10.7号 4ページ

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