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連載記事

節電こそ職場環境の改善好機である

 昭和48年に始まったオイルショックに起因する電力不足は、プロ野球のナイター開始時間を繰り上げたり、デーゲームを増やしたりしました。また、戦後の高度経済成長期には工業用電力の不足から関西で停電が頻発し、多数の犠牲を払いながら過酷な黒部ダム建設を急ぐこととなりました。今また歴史が繰り返されようとしています。岡山の電気をまかなう中国電力は、原子力発電への依存率が低く、幸いにも今夏の電力供給に余力があるといわれていますが、全国的に節電が注目される今こそ一クラス上の省エネを検討し実践するチャンスなのです。

[節電は優先順位を決めてから]

 電力需要ピーク時の節電が求められており、地域によっては勤務時間や休日をずらす等の対応を迫られています。私はこの際、思い切ったオフィスリフォームを提案いたします。ピーク時の勤務時間を分散させるのみならず、電気の使用効率にも配慮するべきですし、環境を一新させることが取り組みの精神的な支えにもなるからです。

【クーラー】
 熱中症等で体調を崩す人が出るため、オフィスの必需品となっているのがクーラーです。よくカタログなどでは「電気代は10年前の約半分」などの表記を見かけますが、JIS消費電力量の測定法が変更されていたりして、鵜呑みには出来ません。しかし、古いタイプのエアコンは、冷気が一定方向に強く吹き出されて、室内を満遍なく適温に冷やすことが難しく、必要以上に冷やし過ぎるそうです。設置から10~12年程度が、ランニングコストから再検討する一つの目安といわれています。もちろん、取り替えのみならず、大胆に部屋を配置換えしたり、室温の好みの違いで席順を変えてみる等も効果的。忘れてならないのは、最も外気から温暖の影響を受ける窓に断熱フィルムを貼り付けたり、エコガラスに交換することです。また、温度設定は28度で、扇風機(消費電力はエアコンの5%程度)併用により、消費電力を押さえるオフィスも増えています。

【冷蔵庫】
 職場の冷蔵庫は比較的使用頻度が低く、20年を超えた年代物が使われ続けるケースも多いようです。冷蔵庫は一年365日終日稼働していますから、消費電力が大きいものを使用すると、かなりの無駄遣いとなります。壁から少し離して設置し、詰め込んだ中身を思い切って処分するなどして消費電力を抑えましょう。

【照明】
 意外に馬鹿にならないのが照明器具です。電球使用箇所はLED照明(消費電力1/6程度)に変更しましょう。蛍光灯タイプのLED照明も登場し、消費電力が約半分、寿命は10倍弱といわれています。しかし、まだまだ高価(40W型で1万円弱から)なので、導入は今少し価格が落ち着いてからの方がよいかもしれません。当面は、さほど明るさが必要でない箇所の蛍光灯を外しておくのがよさそうです。

[仕事の効率化は節電の近道]

 下着業界第2位トリンプ・インターナショナル・ジャパン株式会社には、『がんばるタイム』という制度があります。(以下トリンプHPより引用)

『がんばるタイム』
 しばしばマスコミに取り上げられるトリンプ随一のユニークな制度。毎日2時間(12時30分~14時30分)、コピー・電話・立ち歩き禁止。部下への指示や上司への確認も禁止。自分の仕事だけに集中するための貴重な時間です。「天使のブラ」もこの時間に生まれました。スケジュールどおりに動ける。自分の仕事に集中できると、社内でも好評です。<引用ここまで>

 当然オフィスへの無駄な出入りも減少し、冷房効率も高まると推察します。時間の意識を高め、スケジュールの意味を大きくし、作業を効率化し、残業を減少させるこの制度は多くの職場で応用できることでしょう。節電は不自由で辛いものではなく、「あの夏の節電があったから、職場が働きやすくなった」といえるように取り組みたいですね。


筒井徹也(鉄じぃ)
(有)エヌティ・クリエイト プランナー
倉敷芸術科学大学 観光学科 非常勤講師
キャリア・コンサルタント

ご感想・ご質問は son57@tteac.com 鉄じぃまで

本誌:2011年8.22号 30ページ

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