WEB VISION OKAYAMA

巻頭特集変わる岡山駅・商業施設

「攻め」の姿勢で倉敷に対抗 新館・改装相次ぐ山陽SC開発

  • テープカットでオープン祝う

 JR岡山駅の商業施設が変わりつつある。昨年の「イオンモール倉敷」大幅増床、倉敷チボリ公園跡地の大型商業施設「アリオ倉敷」「三井アウトレットパーク(MOP)倉敷」開業と、倉敷の大型商業施設の攻勢が強まり、同駅の商業施設も今期は4%程度の減収と押され気味。「岡山一番街」と「サンステーションテラス(さんすて)岡山北・南館」を運営する山陽SC開発㈱(岡山市)では今年度になり、南館に食のテイクアウトゾーンが誕生したほか、10月3日に「さんすて岡山西館」がオープン。倉敷対策として、来年2月ごろには岡山一番街の改装に着手する予定で反転攻勢をかける。

≪既存施設への波及効果期待≫
 山陽SC開発が建設していた「岡山駅西口ビル」(鉄骨14階、延べ2700㎡)が完成。10月3日には、同ビル2~5階に「さんすて岡山西館」がオープンした。

 店舗面積は約1500㎡。メンズ・レディスファッション、雑貨など22店のうち、中四国・岡山県下初出店が13店。既存商業施設にない業態のテナント誘致を目指し、3階は男性客でも楽しめるユニセックス(男女兼用)のファッション・雑貨のテナントを集積している。新たな業態を導入することで駅全体の集客力アップを図り、既存店への波及効果を期待している。

 地域初出店のテナントが強調される一方、アリオ倉敷に出店する人気店「クリスピー・クリーム・ドーナツ」を導入した。ただ、ドーナツを製造する工房付きの「アリオ倉敷店」に対し、「さんすて岡山店」の店舗面積は3分の1程度の約90㎡と小ぶりな店舗だ。運営するクリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン㈱(東京都)では「倉敷は地域住民がターゲットだが、岡山では駅直結の立地を生かした中四国地区全体から集客したい」(商品・マーケティング本部)と、出店の狙いを話す。また、MOP倉敷内のテナントも3店ほどが西館に出店しており「西館の店舗の商品構成を分析したい」(吉田博俊倉敷オペレーションセンター所長)と西館を視察した。

≪店舗構成による役割分担進む≫
 岡山一番街と、さんすて岡山北・南館は以前別々の会社が管理運営していた経緯から、2009年4月に山陽SC開発に統合された後もクレジットカード(岡山一番街)とポイントカード(さんすて岡山)という性質の異なるカードが残り、カードサービスの統一とテナントの重複という2つの課題を抱えていた。

 テナント・カテゴリーの重複では、まず会社統合直後に岡山一番街の土産物コーナーを閉店し、さんすて岡山南館内に土産物の販売を一本化した。これで、岡山一番街の食品販売店は喫茶スペースを併設した洋菓子店「HAKUJUJI」のみで、南館との役割分担がより明確になった。さらに、地元飲食チェーンのサンマルクグループが両施設合わせて5店あった点も見直し、売り上げを伸ばせていなかった南館内の2店を閉鎖。その後継店として今年6月、スイーツや総菜・弁当の専門店など12店が集積する食のテイクアウトゾーンを新たにオープンした。

 カードサービスの統一については、西館オープンに合わせ10月から、岡山一番街で使用してきたクレジットカード「ファーストカード」(会員約3万人)に一本化した。

≪テナント重複し売上減も≫
 岡山県下では昨年、県下トップの集客力を誇るイオンモール倉敷が大幅増床(テナント246店、計画前の約1.5倍)したほか、倉敷チボリ公園跡地にアリオ倉敷(テナント122店)とMOP倉敷(同120店)がオープンし、大型商業施設同士の競合が激化している。

 岡山駅商業施設でも倉敷の大型商業施設3者と20テナントが重複。売り上げを落とすテナントが出てきたことも改装に踏み切る要因となっている。さらに、2014年11月には岡山駅前の林原跡地にイオンモール㈱(千葉市)が、飲食・サービス部門を含めた店舗面積8万8000㎡級の大型商業施設をオープンさせる計画があり、山陽SCでは今後も有力テナント導入に取り組んでいく。

≪年商200億円超えは確実に≫
 山陽SC開発が運営する3商業施設(岡山一番街、さんすて岡山北・南館)の合計年商は184億円(2012・3期)で、㈱岡山高島屋(岡山市)の年商規模182億円(12・2期)に匹敵する。これに西館の実績が加われば、岡山駅内の商業施設で年商200億円超えが確実視されている。

 大型商業施設の出店が続く中、駅直結の好立地と、改装による新規ブランド導入で、岡山県下有数の専門店街としての地位を確固たるものにしている。

PAGETOP