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[健康] 腹八分目

Q:食事は腹八分目が健康に良い、と言われていますが、なぜでしょうか。

食べ過ぎは老化現象を促進

A:「腹八分目に医者いらず」という言葉は、「養生訓」という書物をまとめた江戸時代初期の儒学家、貝原益軒の言葉ですが、健康を保つための食養生として、「腹八分目」の必要性を強く説いていました。 当時に比べてはるかに飽食の現代においては、なおさら、示唆に富んだ言葉と言えるのではないでしょうか。 肥満や高血圧、糖尿病などの生活習慣病は、まさに食べ過ぎが大きな原因であることは疑いの余地がありません。 そもそも食物というものは、人間にとって異物であり、その異物を身体にとって安全な形に分解して吸収する働きをしているのが、胃腸を初めとした内臓諸器官の五臓六腑です。 

この「無害化」と「吸収」という働きは、実は五臓六腑に大きな負担をかけ、東洋医学でいう生命エネルギーの「気」を最も消耗してしまうのです。 負担と気の消耗で五臓六腑の働きが衰え、この「無害化」が間に合わなくなると食物は「食毒」となり、さらに身体に負担をかけるという悪循環に陥るのです。現代の日本は目の前にいつでも食べ物があり、コンビニに行けば24時間食べたいものが買える状況で、常にお腹の中に何かが入っている状態といっても過言ではないでしょう。 また、健康補助食品やサプリメント情報の氾濫や、栄養学至上主義の中で、よかれと思ってさらにお腹の中にあれこれと詰め込んでいる人も増えています。

ですからなおさら、健康の秘訣として五臓六腑を休ませてあげることが重要であり、そのためにも目一杯食べずに「腹八分目」で抑えることは理にかなっています。

最近の動物による実験でも、好きなだけ食べさせたほうが寿命が短いというデータが出ており、食べ過ぎは老化現象を促進させることが判ってきました。

現代に必要な食養生をまとめてみると、

1.「腹八分目」に、また、月に1~2回は1日1食抜くのも良いでしょう。
2.朝食は食べたくなければ無理に食べない。食べたくないのは、胃腸が休憩したい証拠。
3.1日30品目食べなさい、等の栄養学情報に固執しない。これを守るために食べ過ぎてしまうのは本末転倒。「今日は野菜が少なかったから明日は食べよう」等、数日間単位で柔軟に考える。

東洋セラピストカレッジ学院長
朝日医療学園参与
本間 裕康氏
岡山市北区本町10-22
TEL086-231-9213

本誌:2010年2.1号 22ページ

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