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インプラント使い回し事件

 愛知県豊橋市の歯科医がインプラント(人工歯根)の使い回しをしていたというとんでもない事件が発覚しました。今までも歯医者によってはインプラント技術の上手下手は十分あるだろうとは思っていましたが、まさか他人の治療で失敗したものを別の患者に埋め込むような悪徳歯科医が存在するなんて想像だにできないことでした。
 
 チタン製のネジは製造直後から空気中の窒素と反応してしだいに活着率が悪くなってくるらしく、それを快復するのに紫外線照射が有効であることをどこそこの研究機関が発見した、といった新聞記事を半年ほど前に読みました。未開封の新品でも在庫管理が悪ければ使い物にならないということです。

 そんなデリケートな人工歯根を使い回しで他人の顎に埋め込んでも根付くはずがないのは常識だと思いますが、案外悪徳治療を行っていたこの歯科医の狙いはそこにあったのかもしれません。非常に高額なインプラントが2、3カ月で抜けてくれたらまたまた金儲けできますから。

 テレビは200万円も治療費を払ったのにインプラントが次々抜けてしまったという被害者が抗議のために歯科医院を訪れているところを映していました。ところが医院は「本日臨時休業」でしかも院長は風呂場で自殺を計ったとか。本気で死ぬ気があっての自殺騒ぎか怪しいものです。

 前代未聞のインプラント使い回し事件は果たして豊橋のこの歯科医に限ったことなのか、それとも程度の差はあっても氷山の一角なのか、ともかく衝撃的な事件でした。

 今回のような悪徳歯科医を早期発見するためにも治療費の一部でも保険適用にして常に外部から監視できるようにしてもらいたいものです。

本誌:2010年2.1号 14ページ

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