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心を伝える「相づち」

 私は話すことが苦手で…とおっしゃる方には「まず、聞き上手になることを目指してみては?」とお薦めしています。よく、会話はキャッチボールといいますが、受け止めてくれる人が居なければ成り立ちません。話そうと苦労するよりも、まず受け止め上手になろうと意識してみてはいかがでしょうか?

 男性読者の方でしたら、奥様や彼女から「ねぇ聞いてるの!?ちゃんと聞いてよ!!」と怒られたことはありませんか?「ちゃんと聞いてるよ!なんだよ!」と怒り返してはいけません。女性は「聴いて」ほしい生き物なのです。「聞く」と「聴く」の漢字をよく見てください。門構えの中に耳があるだけの「聞く」と違い、聴くには耳だけでなく「+」して、「心」と「目」の文字が見えてきます。(目は顔を傾けて探してくださいね)目はアイコンタクト。アイコンタクトは大切です。「おはよ~」とあいさつしながらパソコンの画面越し、なんて、まさかなさっていませんよね。胸板は第二の目とも言われています。人の話を聴くときは、ぜひ顔だけではなく胸板ごとその方に向いてみてください。

 「聴いています」「あなたの話に関心があります」と相手に伝える上で、最大のポイントとなるのが「相づち」です。まず、相づちの基本はうなづくこと。その際、相手の話すスピードに合わせて差し上げてくださいね。「ねぇねぇ!聞いて!聞いて!」と話すスピードが速い人には、早くうなづく、「じつはね~…ちょっと困ったことがあって~…」とゆっくり話す人にはゆっくりと。バリエーション豊かな相づちは心地よく話していただくための基本です。相づちの上級者になってきたら、ぜひ声を出して相づちを打つことを身につけてください。「えぇ」「へぇ~」「ほぉ~」「うんうん」といった具合です。ここでもバリエーションを豊かにするよう気をつけましょう。「はい、はい、」「なるほど、なるほど」などワンパターンの単調な相づちが繰り返されると、どこか馬鹿にされているような印象になってしまいます。

 さらに上級者は「共感」の相づちを使います。ひとは共感されるともっと話したくなり、共感してくれる人を好きになります。「確かにそうですね」「分かります」「わたしもですよ」など、共感の相づちは相手との距離をぐっと近付けるスパイスになります。さぁ、随分と相づちの上級者になってきました。さらに上級を目指しましょう。

 心理学には「バックトラッキング」という会話のテクニックがあります。簡単に言うと相手の話を繰り返すのです。「昨日、東京に行ってきたんですよ」と言われたら、「東京に行かれたんですね」といった調子です。きちんと相手の言いたいことを受け止めていないと、正しく繰り返すことはできません。くれぐれも「昨日ですか?私は昨日ね…」と相手の話を横取りしないようにしてくださいね。

 深刻な話題のときは、ぜひ話すスピードや声のトーンも合わせて、「会社、やめようかと思うんだよ…」「そうか、会社やめたいのか…」とバックトラッキングを使ってみてくださいね。より深い本当の気持ちを話してくれるはずです。

 「聞く」から「聴く」が板についてきたら、もう1つの「訊く」も身につけてみてください。あなたの話をもっと聴きたい、もっと話してください、とお伝えすることができるのは、質問を挟むことです。「それでどうなったのですか?」「それはどうしてですか?」「東京には何をなさりに?」など、タイミングよく話の流れをつかんだ質問を挟むとベストです。「こんなこと、話すつもりじゃなかったんだけど」「このことを人に話すのは初めてだよ」などと言われたら、あなたの「聴く」力は最上級になっている証拠です。

本誌:2014年10.13号 17ページ

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