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特集日本赤十字社岡山県支部

被災地へ防災ボランティア派遣 「忘れない」ことも1つの支援

  • 浜辺の再生に取り組む防災ボランティア(岩手県釜石市)

 日本赤十字社岡山県支部(支部長・石井正弘知事)は、8月中に3回に分け、東日本大震災の被災地へ防災ボランティアを派遣した。時間の経過とともに人々の記憶が薄れる一方、復旧・復興は遅々として進んでいないことから計画した。炎天下での活動を終え、帰岡したボランティアリーダーに話を聞いた。

 今回派遣された防災ボランティアは、初回(8月1~5日)が15人、2回目(同8~12日)が18人、3回目(同22~26日)が38人で計71人。初回は赤十字奉仕団のリーダーらを中心に派遣し、現地の様子などを2回目以降のメンバーに伝えた。年齢は17~76歳と幅広く、高校生を含む学生が31人を占めた。

 震災から1年半近くが経過し、全国からの支援も少なくなりつつあるが、「現地では復興どころか復旧も道半ば。義援金や電化製品などの支援も続けているが、赤十字としてまだまだやるべきこと、できることがあるのではないか」(中西一議事務局長)と、今回の派遣は計画された。支部同士の調整に加え、防災ボランティアセンターが派遣準備に主体的にかかわったのも大きな特徴だ。

 現地では、岩手県遠野市を拠点に被災地支援に取り組むNPO法人「遠野まごころネット」と連携。同法人は、被災地のさまざまなコミュニティーなどから寄せられる支援依頼に対し、活動可能なボランティアグループをマッチングする役割を果たしており、第1陣で派遣されたボランティアは、釜石市内などで活動することになった。

 グループリーダーとして参加した倉敷市内在住の満和久さん=小学校教諭=によると、初日に活動した浜辺は、津波でごみや丸太が打ち上げられた「震災直後のまま」の状態。「我々の活動は子どもたちや地元住民に笑顔を取り戻してもらうのが一番の目的。仮設住宅から戻って来た子どもたちに遊べる場所がないとかわいそう」と、地元ボランティアらと連携して大量のごみの撤去に汗を流したという。

 また、女性ボランティアは、被災者向けに熱中症予防などの講座を開催。地元の人が「(震災後に)あの人の笑った顔を初めて見た」と驚くほど、被災者たちとの交流を深めることができたという。

 直接目にした被災地はマスコミ報道の印象とは随分違い、1年前とほとんど変わっていなかったそうで「復旧・復興はまだまだこれからということを多くの人に伝えていきたい」と満さん。また「現地に行くにこしたことはないと感じたが、岡山からできることもたくさんある。資金面だけでなく東北のものを購入することや、被災地のことを忘れないのも支援の1つではないか」と話している。

 日本赤十字社岡山県支部は、地震発生直後に災害対策本部を立ち上げ支援活動を展開。取り扱った義援金は33億7700万円、防災ボランティアセンターには500人以上の新規登録があった。また、赤十字飛行隊岡山支隊は全国の支隊で唯一、陸路が寸断された中で岡南飛行場―いわて花巻空港間で防災用品などを空輸。救護班や防災ボランティアなどの人的支援も全国の赤十字でトップクラスの実績を誇っている。

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