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巻頭特集岡山県下2015年度自動車販売実績

回復見えぬ消費税増税後の販売不振 コンセプト統一車継続投入でマツダが躍進

  • 1000台以上を販売したデミオ

 岡山県下主要自動車ディーラー10社の2015年度(15年4月~16年3月)新車販売状況をまとめた。合計登録台数は消費増税前の駆け込み特需の反動で苦戦した14年度からさらに減少。一方各社の販売状況を見てみると全社が前年割れした14年度に対し、増加に転じる事業者もあり、新型車の投入状況などによる明暗がはっきり分かれる結果となった。

 今回調査した10社の合計登録台数(普通車)は、3万1594台で、前年度比4.8%減。2年連続の前年割れとなった。

 その中で増加に転じたのは5社。中でも大きく登録台数を伸ばしたのは、㈱岡山マツダ(岡山市)で、14年9月発売の主力車種デミオが前年度から175台伸ばしたほか、10年ぶりにフルモデルチェンジし15年5月に発売したロードスターがヒット。同年2月に発売したクリーンディーゼルエンジン搭載の新型SUV車CX‐3も好調だった。いずれの車種もデザインコンセプトなどを統一した「第6世代」に位置付けられ、これをコンスタントに市場に投入することで年間を通じて好調をキープした。

 一方苦戦したのは、㈱ホンダ四輪販売岡山(同)。15年5月発売の新型車シャトルは好調だったものの、普通車の3割を占める主力のフィットがリコール問題で登録台数を落とし、全体で前年実績を約1割下回る結果となった。

 登録台数トップとなったのは前年度と同じく岡山トヨペット㈱(同)。2番手のトヨタカローラ岡山㈱(同)を1600台以上引き離し6062台(前年度比4.9%増)を登録した。15年7月発売の新型シエンタと同12月発売の新型プリウスの両併売車種がヒット。

 15年1月発売のアルファードの受注が15年度も好調で、フルモデルチェンジから3年経過した高級SUVハリヤーも堅調に推移するなど専売車種が登録台数をさらに押し上げた。またディーラーでは珍しいハイエースのカスタマイズ販売による個人客開拓など、独自の取り組みも効果を上げた。

 プリウス、シエンタの好調な受注は全チャンネルに恩恵をもたらしたが、今回のフルモデルチェンジでカローラ専売から全チャンネルでの併売となったシエンタは、トヨタカローラ岡山以外のチャンネルにとって新たな顧客の開拓にもつながった。

 一方、両車種で発生したのが、長納期化。発売前の事前予約の段階から注文が殺到し、計画以上の生産を迫られたことから瞬く間に納車予定時期が数カ月先まで伸びた。特に12月発売のプリウスは受注しても登録が次年度に持ち越されるケースが増加。効率を追求してきたトヨタ生産方式の弊害が人気車種の発売のたびに現れる形となっている。さらにトヨタグループの愛知製鋼の爆発事故で生産が滞ったことが拍車をかけた。人気車種が発売されたのにもかかわらず登録台数が伸び悩む一因となったようだ。

 また岡山スバル自動車㈱(同)でも、好調な北米向けの生産に押され、納期が次年度に持ち越されるケースが増加。期中投入された車種がマイナーチェンジのみと盛り上がりに欠けたこともあり、前年度比6.6%減となった。

45%がトヨタ系

 県下全ディーラーの販売状況をメーカー別登録台数(普通車)で見ると、シェア45.3%のトヨタがトップ。これを12.6%のホンダ、9.8%日産が追うなど順位に変動はなかった。

 一方軽自動車の届け出台数は、14年度首位のスズキを抑えダイハツがシェアトップ。30%台で首位争いを繰り広げる中で15年8月以降毎月ダイハツがスズキを上回った。3位は14年度と同じくホンダ。4、5位は逆転し日産、三菱となった。

 合計では、普通車で6位のスズキが2位、同8位のダイハツが3位。税制改正で年間7200円だった軽自動車税が15年度納車分から1万800円に増税され、スタートダッシュが鈍かったものの、依然税制、価格面で優位な軽自動車の人気の高さを示した。

新型車で巻き返し図る

 4月発売のパッソが好調なトヨタカローラ岡山をはじめ、15年度に前年実績を上回れなかった事業者では、新型車投入効果に期待を寄せる。スバルでは人気車種のインプレッサが今秋にフルモデルチェンジすることが確実視され、日産のセレナ、ホンダのフリードも新型が期中に投入されるもよう。トヨタでもプラグインハイブリッドのプリウスPHV、新型クロスオーバーSUVのC‐HRと注目車種の全チャンネル発売が予定されている。さらにネッツ店では専売の新型2ボックス車も投入される見込み。

 一方、軽自動車では、4月に発覚した三菱自動車の燃費不正問題が影を落とす。5月の県下軽自動車新車届出台数を見ると、三菱自動車は生産停止のため前年同月比75.6%減。OEM供給を受けていた日産も同69.0%減となった。7月4日に生産が再開されたが、失墜した信用を取り戻すことは簡単ではない。5月に測定方法の不正が発覚したスズキ自動車も、数値は誤差の範囲内としているが、当面の影響は避けられないとみられている。

本誌:2016年7.11号 4ページ

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