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連載記事人材育成のタネ 44

優秀な人材がプライドを持って働ける職場環境

  • 竹本幸史氏

 会社を発展させたいと思うなら、意図的に刺激が与えられる環境をつくることが必要です。社員の「やる気」を「プライド」に高めるのもやはり環境です。プライドを持って働くことができないと、せっかく苦労して採用した社員が会社から離れていくことになってしまいます。採用活動にお金を掛けるより、まずは環境づくりに投資すべきです。

 社内に優秀な人材が育つ土壌をつくる方法はいくつかありますが、育ちつつある貴重な人材に対して、会社がどんな環境をつくっていくべきかを考えてみましょう。人間の才能を伸ばすためには、脳に新鮮な刺激を与え続けることが大切です。会社を発展させたいと思うなら、意図的に刺激が与えられる環境をつくっていくことです。それは仕事での役割でも、外部への研修でも構いません。経営者が貴重な人材に対してどういった「期待」を掛けるかが刺激となるのです。

 働く環境整備を常に意識して、ワークスペース(執務室、事務所)を変化させることも重要です。従業員目線で考えたとき、「誰の目にもはっきりと分かる変化」を形で残すことで、自分たちが努力することによって、会社はどんどんよい方向に変化していくというイメージを伴った刺激を与えることができます。 「君には期待しているよ」といくら口で言っても、劣悪な環境に置かれていたら、その期待を実感することはできません。反対に、何も言われなくてもサポート体制や職場環境が整えられ、働きが給料に反映されている形で評価されていれば、「これだけ期待されているのだから頑張ろう」という気になります。そうした「やる気」を「プライド」に高めていくのもやはり環境です。「うちは普通とは違う」「自分はこれほどのことをしてもらえる仕事をしているのだ」ということが、仕事に対するプライドとなっていくのです。

 社員がイキイキと仕事ができる環境を提供しなければ、会社の発展はありえません。そう考えると、環境整備や福利厚生に掛けるお金は、これもまた「経費」ではなく、「投資」と考えることができます。経営者がこうした発想を持たない限り、会社の継続・発展はないということです。

 新人の能力を引き出すためにも、環境は重要です。イチローもタイガー・ウッズも、あれほどの能力を開花させることができたのは、持って生まれた才能はもちろんですが、それを育てた環境が良かったからに他なりません。小さいころから一流に触れ、高い目標を与えることがいかに能力を引き出すかということが、彼らを見ているとよく分かります。これは、仕事でも同じです。人は最初に触れたもののレベルによって「これはそういうもの」と、その事柄に対する初期設定ができてしまうのです。仕事の場合、それを決めるのは最初に会う「人」です。その人がどの程度のクオリティーを仕事に求めているかによって、「仕事ってこういうものなのだ」という基準ができます。新人には、なるべく早い段階でその分野のトップレベルの人に会わせるなどの機会を与えましょう。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2017年夏季特別号 13ページ

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