WEB VISION OKAYAMA

インタビュー・対談山陽放送㈱社長 桑田茂氏

ドキュメンタリーは「DNA」 新RSKブランド構築目指す

  • 桑田茂氏

 RSK山陽放送(岡山市)の新しい社長に、6月29日付で、前専務の桑田茂氏が就任した。同社は2018年に創業65年とテレビ放送開始60年の節目を迎える老舗放送局。先日には岡山後楽館中学・高校跡地(同市北区天神町)への新社屋の建設も決定した。「新しいRSKブランドを作り上げたい」と語る桑田社長に抱負を聞いた。

 就任の抱負は。

 山陽放送が今日までやってくることができたのはエリアの皆さんの支えがあってこそ。社是である「地域とともに」の思いを新たに、恩返しの意味も込め、地域を元気にできるよう頑張りたい。

 後楽館中・高校跡地への新本社建設が決まった。

 計画が採択され、社員一同喜んでいる。完成予定は4年後の2021年で、ガラス張りで「地域に開かれた放送局」を目指す方針だ。1階のフロアはイベントにも活用し、カフェは一般に開放する。また、放送局としてはおそらく日本初となる能楽堂も整備し、能や狂言を気軽に楽しめるようにしたい。

 また、ハコモノをつくるだけではなく、地域の回遊性やにぎわいづくりに65年の歴史がある放送局ならではのノウハウが生かせると思っている。表町商店街に4月オープンしたサテライトスタジオ「RSKらじお本舗」とも連動し、商店街活性化のお手伝いをしていきたい。岡山市の街づくりの中心となる場所に放送局を置くことは大きなプレッシャーでもあるが、なんとしても「RSKが天神町に来てよかった」と思ってもらえるようにしたい。

 周年を記念し、11月19日には初の市民参加の創作ミュージカルを計画している。

 わが社始まって以来の取り組み。日本初の女医となったシーボルトの娘おイネが現在の表町で医術を学んだ6年8カ月を描く内容で、おイネの顕彰を通じ表町オランダ通りの歴史的意味などもひも解くミュージカルにしたいと考えている。皆さんに楽しんでいただけるよう、おイネ役の女子アナウンサーをはじめ出演者は猛練習中で、ぜひ期待してもらいたい。

 番組づくりの方針。

 ドキュメンタリー番組の制作はRSKにとっての「DNA」のようなものであり、この路線は変えるつもりはないし、先行きの不透明な時代であればこそ、エリアの足元を見つめる番組が必要だ。原憲一会長が立ち上げた「RSK地域スペシャル メッセージ」はドキュメンタリーとしては異例ともいえるゴールデンタイムの放送だが、おかげさまで視聴率もついてきている。作り手も番組を通じて、エリアの発展や課題解決のきっかけになればとメッセージを込めており、ますますいい番組にできるよう続けていきたい。

 老舗放送局としてのベースは守りながら、「桑田カラー」をどう打ち出していくのか。

 会社はファミリーのようなものだと考えており、会社があるから家族があり、会社は家族が頑張ってくれるから存続できる。これまで以上に働きやすい職場環境を提供するとともに、100年企業を目指すため、従業員1人ひとりも「RSKブランド」とは何なのかもう一度考え、番組やイベントに生かしてほしい。小さくてもいいので自分の夢を持ち、予定調和ではなく、我々が思いつかないようなアイデアを遠慮なく出してもらいたいし、その集大成が「RSKブランド」になると思っている。

 報道記者時代の思い出。

 多くの取材現場を経験したが、いいニュースより命にかかわるような悲惨な事件ばかり鮮明に覚えている。特に笠岡市内の寮で女子高校生が殺害された事件は、自分が娘を持つ身になり30年以上が経過した今もわがことのように覚えている。微力だが、報道を通じこうした事件を少しでも減らすことができるよう努力していきたい。

 ●プロフィル 笠岡市出身。法政大学経営学部卒業。1975年山陽放送に入社し、ほぼ報道畑一筋に歩み、常務報道制作局長、専務、山陽映画(現RSKプロビジョン)社長などを歴任。趣味はゴルフ、釣り。岡山市内の自宅で妻、娘、猫2匹と暮らす。64歳。

本誌:2017年夏季特別号 21ページ

PAGETOP