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網戸の張り替え

 実家の物置に網戸張り替え用のネット・ロールが2本、もう30年も眠っています。父が古くなった家の網戸を張り替えようとホームセンターで買ってきたものの「この夏こそ張り替えしよう」と思いつつもついに実現することなく3年前に他界し、網戸交換の仕事は息子の私に託されました。

 父の気持ちもよく分かります。張り替えを業者に頼むと大事になるし料金も高そう。新しいネットさえ買ってくればシロウトでも何とかなるだろう、と。でも最初の一歩がなかなか踏み出せないまま私も今日まできてしまいました。

 ところがこの夏、網戸の破れがあちこち広範囲に及んで猫が勝手に外へ出ていくようになり、ついに私も決心しました。練習の意味も込めてとりあえず、新しいゴムとゴムを押し込むローラーを用意しました。

 いざ始めると、簡単そうに思えた張り替え作業が案外難しく四苦八苦でした。仕上がりにたるみが出て、何度やり直してもうまくいきません。たるみはあっても何とかネットをゴムで固定でき、はみ出したネットの端をカッターで切り落とそうとしたら、カッターの刃がたるんで膨らんだネットに接触して穴を開けてしまいまたやり直し!1枚の網戸を不細工ながらやり終えたときはもう汗だくで服もどろどろに汚れてしまいました。こんなことなら素直にプロにまかすべきだった、と反省。

 ところが夜になってユーチューブで網戸の張り替え動画を20本ぐらい見たらまさに目からうろこでした。プロからアマまで多くの動画がアップされていますが、皆さん、実に分かりやすく勘どころを解説し、実演して見せてくれています。

 ひとつの動画ではよく分からない部分も他の人の動画では「ここがポイントですよ!」と強調されていたりします。多くの動画を参考にして網戸張り替えの全体像が把握できたらしめたもの。とりわけたるみなく仕上げるテクニックには感動すら覚えました。父が残した2本のロールで残りの網戸全部を張り替えする自信が沸いてきました。

 それにしても中学校とか高校では自転車のパンク修理や網戸の張り替えはなぜ教えないのでしょう?英語や数学を学ぶのに勝るとも劣らない、人生にとって有益な学習に違いないと思うのですが……。

本誌:2017年夏季特別号 16ページ

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