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連載記事賢い補助金の活用法

ITシステム導入を促進する補助金

  • 水子伸城氏

 岡山県よろず支援拠点とVISION岡山のコラボ連載企画「賢い補助金の活用法」。今回は中小企業診断士でITシステム会社を経営する水子伸城コーディネーターが、補助金全般についての説明に続き、システム導入に活用できる補助金や導入のポイントを紹介します。

 一般的に補助金や助成金の明確な違いはあまりありません。しかしながら「補助金」は経済産業省や地方自治体が実施主体、「助成金」は厚生労働省が実施主体となっているものが多くなっています。

 この場合、「補助金」は国や地方自治体の経済政策を推進する目的のものが多く、その目的に合う事業を実施する事業者を支援する性質を持っています。多くはその目的に沿っているかどうかを判断するため、事業計画を記した申請書を提出し、審査を通過した事業者のみ受給することができます。

 一方、「助成金」は厚生労働省の雇用や労使に関係する政策を支援する性質を持っています。労働者の働き方を改善する取り組みを行う事業者に対し要件を満たせば基本的に受給できるのが助成金です。

 ただこれだけでなく、環境省や国交省、農林水産省等、各省庁から様々な補助金が出されているので、関連する事業者はこれらもチェックしてもいいかもしれません。

 相談先としては、事務局に相談する、支援機関に相談する、専門士業に相談する、などの選択肢があります。どんな補助金を受け取りたいか決まっている場合で、補助金自体の制度についてはその補助金の事務局に問い合わせます。また、どんな補助金があるのか知りたい、または自社にどんな補助金が活用できるか相談したいという場合であれば幅広く情報をもつ、商工会、商工会議所やよろず支援拠点等の公共の支援機関に相談するのが良いでしょう。

 また、経済産業省の補助金であればその国家資格をもつ中小企業診断士、厚生労働省の助成金であればその国家資格をもつ社会保険労務士、また、行政書類全般を専門とする行政書士等に相談しても良いでしょう。これらの士業への相談はよろず支援拠点でも無料相談できます。

 中小企業庁から出されている国の3大補助金と呼ばれている「小規模事業者持続化補助金」「IT導入補助金」「ものづくり補助金」がります。実はこの3つともシステム導入に活用できます。導入するシステムによって使い分ける必要があります。

 基本的にはシステム導入をまさに目的とした「IT導入補助金」を基本に考えてください。しかし、この補助金で申請できない少額のシステムや、オーダーメイドのシステムについては、小規模事業者持続化補助金やものづくり補助金が活用できます。気をつけていただきたいのは、IT導入補助金以外の補助金を活用する場合は、その補助金の目的に沿った申請内容にする必要があります。

 補助金全般に言えることですが、補助金の申請内容の前に、事業の内容を精査する必要があります。IT補助金で言えば、IT補助金をもらいたいがために本来不要なシステムを導入して、導入後に使っていないケースがたまに見受けられます。補助金を申請する前に、どのようなシステム導入が当社にとって効果的か、またどんなシステムがあるのか、といった事業内容の方が重要です。補助金の相談だけしてもだめですし、システムの相談だけしても補助金の活用はできません。補助金は投資を後押しするものです。システム導入したほうがいいんだろうけどコストがかかるしと考えている事業者は、国がその一部をせっかく負担して試しに入れることを支援してくれているので、積極的に、かつうまく活用してみてはいかがでしょうか。

本誌:2020年12月7・14日号 11ページ

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