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ジャーナル地域公共交通総合研究所

5割が事業継続の危機!? アンケートでコロナ禍の経営実態明らかに

  • コロナ禍の公共交通事業の経営実態を発表する小嶋代表理事

 両備グループが設立した(一財)地域公共交通総合研究所(小嶋光信代表理事)はこのほど、全国の公共交通事業者を対象に、コロナ禍の経営実態に関するアンケート調査の結果を公表した。厳しい状況は予想をはるかに超え、何らかの支援がない場合、2021年度中に5割の企業が事業継続の危機に直面しかねないことが明らかになった。

 バス、鉄道、旅客船事業者の中から地域、規模などを参考に426社をサンプリングし、10月23日~11月16日にかけて調査を実施した。回収率は29%。

 それによると、4~9月の輸送人員は52%の事業者で30~50%減、22%が50~70%減。その結果、回答企業の11%が債務超過に陥っており、昨年度末時点の剰余金を半分以下に減らした企業が39%に上り、国や自治体による補助・支援がない場合、12カ月以内に経営維持に何らかの支障があると思われる事業者はバス55%、鉄道61%、旅客船18%に上った。

 また、公共交通事業者はコロナ禍にあっても不可欠なインフラとして政府や自治体から運行継続を要請されており、36%が減便しながら運行、64%は平常運行を継続している。そのため、大半の経営者は政府、自治体による損失補てんにより企業を含む3者で痛みを分け合うことを求めている。

 同総研によると、地域公共交通のコロナ支援としては国の第2次補正で138億円が計上された程度。要請を受けて大きな赤字を覚悟しながら使命感をもって営業を継続した結果、従業員は通常勤務となり、雇用調整助成金も支給されない―という事業者にとっては悪循環が続いている。

 結果について小嶋代表理事は「これまで手探りの議論しかできていなかったが、結果を見てまさに業界そのものの危機と驚いた。信用不安を恐れる事業者もあり、この結果を見て動かないと公共交通は倒れていくしかなくなる」と国や自治体の決断を強く求めるとともに、実態に対する利用者の理解を呼び掛けた。

本誌:2020年12月7・14日号 12ページ

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