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連載記事なんでもQ&A[法律]

反社会的勢力の排除

Q. 当社は、ある建築工事を下請企業に発注したのですが、その会社のオーナーは暴力団関係者であることが判明しました。暴力団排除条例もあり、建設業界では暴力団排除への取り組みが強く問われており、下請けとはいえ暴力団関係者がオーナーの企業をそのまま使っていては、資質を問われますし、公共工事の受注などに悪影響を及ぼしかねないと心配しています。そのため契約を解消したいのですが、可能でしょうか。

あらかじめ契約書を整備すべき

A. 本来契約を締結した場合、基本的には合意による契約解約か、相手方に債務不履行を原因とする解除または契約解除条項で定めた解除事由に基づく解除以外に契約を解消することはできません。

 そして各地方自治体で暴力団排除条例が制定されることに伴い、各企業で契約書に反社会的勢力を含む暴力団排除条項を定める場合が多くなっています。そのような暴力団排除条項を定めている企業の場合、その条項を根拠に契約を解除することができます。

 ただ、未だに暴力団排除条項を定めていない企業もあります。その場合であっても、①契約書で定められた包括的な解除条項(例えば「やむを得ない場合」、「法令や公序良俗に違反するおそれが認められる場合」などの条項がある場合)を活用した契約解除を行う方法があります。それは、反社会的勢力との契約継続は「法令や公序良俗に違反するおそれがある」ため、相手方との契約継続はできないとして契約解除をすることが考えられます。

 また、包括的な解除条項がない場合または契約書を作成していない場合も②相手方が反社会的勢力であるとは知らなかったことを根拠に錯誤無効(民法第95条)の主張を行うことも考えられます。

 現在、企業が反社会的勢力との関係排除が求められている以上、何もせず、放置することはできません。ただ、①②いずれの手法も専門的なものとなり、反社会的勢力であるか否かといった事実関係の確認も必要となります。そのため、弁護士などの専門家への相談の上で対応すべきです。また、そのような事態に備えて、専門家に相談し、できれば契約締結前に暴力団排除条項を規定した契約書を作成すべきです。

こうもと法律事務所
弁護士
河本泰政氏
岡山市北区中山下1-2-3太陽生命岡山ビル7階
TEL.086-206-3755

本誌:2018年2.19号 29ページ

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