WEB VISION OKAYAMA

連載記事

仕送り事情

 「子を持つ親」としての一大転機は大学進学時の「岡山離れ」の時期であろう。センター試験をピークに多くの学生は大学入試に挑む季節である。一年で最も寒い時期にこのような大切な試験を実施するのは如何なものかと考えている。また、欧米では有力な大学が地方に分散しているのに比べて日本は東京や関西圏への一極集中の傾向が極端に強い。今回は岡山の仕送り事情について考察してみたい。

 自宅外通学者のいる世帯の割合は、岡山では40.5%、全国では30.3%であり、岡山のほうが全国と比べて、約10ポイント高い。つまり、岡山では「18歳の崖」を迎えると親元を離れる学生が多い結果となっている。

 日本政策金融公庫の調査でも、1世帯あたりの自宅外通学者は、岡山では0.59人、全国平均では0.35人となり、岡山はかなり多い。47都道府県では長野、青森、鳥取が上位県であるが、岡山も15位とかなり上位にある。逆に、大阪、千葉、埼玉、愛知、東京、神奈川などは低い。この地域に学生は集まっている。

 自宅外通学者への年間の仕送り額は、岡山で最も多いのは、「50万円以上100万円未満」(61.1%)である。全国では「100万円以上150万円未満」(33.1%)が最も多い。仕送り金額の平均では、岡山は70.0万円であり、全国平均の124.9万円を大きく下回っている。岡山から東京などへ出ていった学生たちは恐らくアルバイトなどでかなりの時間働いていることが容易に想像できる。

 自宅外通学者を持つ家庭の教育費の捻出方法については、岡山では、多い順に「子ども(在学者本人)がアルバイトをする」(38.2%)、「教育費以外の支出を削っている」(37.1%)、「預貯金や保険などを取り崩している」(29.2%)、「奨学金を受けている」(29.2%)と続く。全国では「特に何もしていない」(31.4%)が最も多く、岡山の学生は自らの学びの道を、自ら切り開いているとも言える。

 東京などに送り出している家庭では、教育費の捻出にどのように対応しているのであろうか。教育費の捻出のために節約している支出は、「旅行・レジャー費」(75.8%)、「外食費」(60.6%)、「バッグ・アクセサリーなど身の回り品や装飾品の購入費」(30.3%)と続いている。衣料や食費が岡山ではかなり抑えられている傾向にある。かなり慎ましやかな生活をして子供をサポートしていることが窺える。

 日本は政治や経済に加えて教育でも東京一極集中になっている。欧米のように有力大学が各地に分散するようになれば親の負担もかなり軽減されるはずである。そのためにも地方の大学は東京の大学の真似をせず、独自の教育を提供し地域を支える大学になるように全力を傾けるべきであり、同時に文部科学省には予算配分を地方の大学に厚くするように希望したい。

本誌:2018年2.19号 9ページ

PAGETOP