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バレンタイン事情

 バレンタインデーの起源は、日本チョコレート・ココア協会によれば、ローマ時代の次のようなエピソードに起源がある。

 「当時の皇帝クラウディウス2世は、強兵策の一つとして兵士たちの結婚を禁止していました。これに反対したバレンタイン司祭は、皇帝の命に反し多くの兵士たちを結婚させました。このため皇帝の怒りをかい、ついに殺されたということです。この殉教の日が西暦270年の2月14日で、バレンタイン司祭は聖バレンタインとして敬われるようになり、この日をローマカトリック教会では祭日とされているそうです。」

 欧米、特にカトリック教徒の中では、男性が女性にバラの花束を贈るような神聖な日である。このバレンタインデーに、女性が男性にチョコレートを贈る国は世界中で日本だけである。この慣習は何故起きたのか。同協会のホームページでは朝日新聞の1996年9月21日の日曜版の記事から、日本におけるバレンタインとチョコレートの関係が解説されている。それによると二つの起源がある。

 起源1 チョコレート会社「モロゾフ」が1936年2月12日に、神戸で発行されていた外国人向け英字新聞にバレンタインデー向けチョコレートの広告を出した。

 起源2 1958年2月メリー・チョコレート会社が新宿・伊勢丹の売り場に「バレンタインセール」と手書きの看板を出した。3日間で売れたのは30円の板チョコ5枚と4円のカード5枚だけであった。翌年ハート型チョコを作り「女性から男性へ」という殺し文句を作った。

 モロゾフが日本で最初にバレンタインデーにチョコレートの広告を出したが、戦後メリー・チョコレートが今日のように女性から男性にチョコレートを贈るということを仕掛けたようである。

 バレンタインデーにチョコレートなどをプレゼントするのは、岡山の女性(58.6%)は全国の女性(51.8%)より少し多い。チョコレートを贈る相手は、「パートナー(配偶者や恋人)」が最も多く、「家族」、「会社や取引先関係、男性の友人など義理チョコを贈る相手」という順となっている。岡山の女性は全国と比べて「家族」のポイントが高いのが特徴である。

 チョコレートを手作りするのは、4~5人に1人の割合で、岡山の女性(21.2%)よりも全国の女性(23.6%)のほうが若干多い結果となった。チョコレートを買う場所は、「百貨店・デパート」、「スーパーマーケット」、「チョコレート専門店や製菓店」、「インターネット」という順である。最も多い「百貨店・デパート」で購入する割合は、いずれも約65%である。また、岡山の女性は「スーパーマーケット」で購入する割合が高く、「インターネット」での購入は全国のほうが3ポイントほど多い。

 バレンタインデーにチョコレートを欲しいと思っている男性は、「岡山」(45.9%)、「全国」(43.6%)と若干岡山のほうが多い。また、バレンタインデーにチョコレートが欲しい相手は、「パートナーである本命の相手(配偶者や恋人)」が67%と「岡山」も「全国」も同じ割合でトップである。次に高いのは「家族」で、「岡山」の男性は49.4%で、「全国」25.2%と比べて24.2ポイント多い結果となった。岡山の男性は、案外家族思いなのだろう。岡山の男性はバレンタインデーのチョコレートが欲しい理由に「相手の気持ちが伝わるから」が50.6%と最も多く、全国(22.5%)と比べて倍以上の開きがあった。「全国」の男性では「甘いものが好きだから」(45.6%)が最も多い理由だった。「岡山」の男性のほうが「全国」の男性に比べて、バレンタインデーのチョコレートを、相手の気持ちを確認するコミュニケーションの機会と捉えているのであろう。

 筆者はロンドン在住時代に社員である美容部員全員にバレンタインのカードを送ったことがある。ところが、ある一人の美容部員のボーイフレンドから抗議を受けたことがある。これは今日ではセクハラあるいはパワハラと受け取られてしまったとしても仕方無い状況であった。クリスマスもそうであるが、異教徒が他の宗教行事を売り上げ拡大のために活用することは慎重であるべきだと強く思っている。

 本来あるべき、男性から女性に花をプレゼントする「フラワーバレンタイン」という習慣の認知度について聞いてみた。フラワーバレンタインを「知っている」のは「全国」の方が高く、特に女性の認知度では「全国」28.6%に対して、「岡山」10.8%と、約3分の1の認知度である。バレンタインには男性が女性にバラの花束を贈ることを岡山から始めませんか。

本誌:2018年1.29号 9ページ

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