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[知的財産]類似の複数デザインを出願前に公開

 Q:弊社では、互いに類似するデザインD1、D2、D3…D50を施した50個の製品P1、P2、P3…P50(P場唐フデザインはD場刀B但しiは1から50の整数)を販売しました。これらを意匠登録出願する予定ですが、製品P1~ P50のデザインD1~D50は互いに類似しているので、製品P1~P50のうち最先に販売した製品P1のみの証明書を提出すれば足りますか。

 A:意匠登録を受ける権利を有する者の行為(例えば、販売)に起因して公開されて新規性を喪失した意匠については、次の(1)~ (3)の手続により、新規性を喪失していないものとする例外規定(以下、単に「例外規定」) の適用により意匠登録出願することができます。

 (1)意匠を公開した日から6月以内に出願する。
 
 (2)例外規定適用を受ける旨を出願時に願書に記載する。

 (3)出願から30日以内に、公開意匠が例外規定の適用が可能であることを示す証明書を提出する。

 この例外規定適用を受けた公開意匠は、この出願に関し新規性を失っていないものと見なされますので、この公開意匠が公開されたことを理由として、この出願が拒絶されたり、登録後に無効にされることはありません。

 本件では、お考えのように製品P1について(3)の証明書を提出すれば例外規定が適用され、製品P1のデザインD1は新規性を喪失していないものとされますので、製品P1の販売に基づく新規性喪失に係る不利益は生じません。しかし、証明書を提出しない製品P2~ P50のデザインD2~ D50については例外規定の適用はなく、これらのデザインD2~ D50のいずれも新規性を喪失します。このためデザインD1~ D50いずれについて意匠登録出願する場合も、新規性を失った公知意匠と同一又はそれに類似するとのことで出願が拒絶されます。

 つまり本件においては、出願それぞれについて製品P1~ P50各々の証明書(計50通)を提出する必要があります。このように多くのバリエーションのデザインを公開した後に出願する場合は、膨大な証明書を提出する必要があり、出願が困難になることもありますので、出願予定のデザイン又はそれに類似するデザインを公開する際には十分ご注意ください。

本誌:2017年3.13号 20ページ

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