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インタビュー・対談㈱ホテルたけべの森(岡山国際ホテル経営)社長 河本貢司氏

仕入れ健全化でコスト改善 ファミリー取り込みに意欲

 民事再生により40年の歴史に幕を閉じた㈱岡山国際ホテル(岡山市)から営業を引き継ぎ、昨年末に新・岡山国際ホテルをオープンした㈱ホテルたけべの森(同市北区建部町田地子1569-24、河本貢司社長、資本金2000万円)。ネックとなっていたコスト面の改善に挑み、ステーキ食べ放題プランなどで客層拡大の姿勢を明確に打ち出してきた河本社長に、これまでの感想と今後の戦略を聞いた。

改めて、岡山国際ホテルをどのようなホテルにしていくのか

 岡山の迎賓館としての伝統や格式を引き継ぎながら、ネットの活用やプランの充実で個人客、ファミリー客を増やしていく。低価格層へのシフトではなく、幅を広げ、1つのホテルでさまざまな客層に喜んでもらえるサービスを提供する。復活させた最上階レストラン「アルカンシェール」で、高級なフランス料理を楽しんでもらいつつ、1階レストラン「カスカテール」では、6月からより手軽に食事を楽しんでもらえるよう、メニューと価格を刷新したのが一例だ。

人員は

 旧体制からの役員はすべて退職した。約120人いた従業員は、現在75人。1人3役で柔軟に対応することでこれまで以上のサービスを心掛けている。

これまでの5カ月を振り返って

 婚礼は民事再生が明らかになった昨夏からの予約激減が響き正直苦戦した。6月以降は、当社での営業が徐々に功を奏し、増えている。そのほかは開業時から順調だったが、3月11日の東日本大震災が予想以上に響いた。5月からは徐々に上向いているが、シーズン的に落ち込む6月にどう対処するかが課題だ。

改めて感じたことだが、緑豊かな環境と市内を一望するロケーションはすばらしい。これを生かせば、中心市街地から離れていることがデメリットではなくメリットになる。こういった当ホテルならではの価値を生かせば、集客できると実感できた。

これまでに取り組んだことは

 まず重視したのは、意識改革。得意客や高級路線のお客様への接客は一流でも、一般のお客様への接客がおろそかになってはだめということを徹底して教育した。営業面では、出資者に頼り切っていた姿勢を改め、積極的に新規開拓を進めている。マンパワー頼りの1からの出発だったが、成果は確実に出ている。経営面では、仕入れからすべてを見直し、コスト面の強化を進めた。基本的に岡山市内からだが、従来のしがらみがない状態で取引先を選び、大幅なコストダウンを実現できた。本来あるべき適正な状態にできたのではないか。

今後の取り組みは

 震災の影響もあり、まだまだ手探りの状態だが、積極的にホテルを飛び出してアピールしていきたい。ハード面では、フロント、宴会場から改装に取り掛かり、未改装の7、12階の客室のリニューアルも時期を見て行う。営業面では、今後、ホテルたけべの森との連携も具体的に模索していく。震災直後まったくゼロになったインバウンドは、韓国、中国からの集客を図るため、現地の旅行事業者を訪問するなど、積極的に人を出し、アピールしていきたい。

母体の(医)社団葵会のグループ力を活用した展開は

 ホテルたけべの森で行っている、医師がサポートする健康関連のプランなどを取り入れていきたい。時期は、体への負担を考慮して秋、春になるのではないか。

 噂にあるような、医療機関、福祉施設への事業転換は考えていない。岡山市内の病床数は十分で新規開業は現実的でなく、高級高齢者マンションにするにしても、デイケア施設の整備など大きな投資が必要になる。あくまでホテルとして成長を図る。今期中には利益の出る体制にしたい。

●河本貢司氏 (かわもと・みつじ)
 広島県出身。広島経済大学卒業後、社団葵会入り。広島平和クリニックの立ち上げなどに携わり、2005年からホテルたけべの森社長。56歳。

本誌:2011年6.27号 19ページ

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