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巻頭特集Ⅱ支援事例 崎上工業(岡山市)

プロの視点の指導にメリット実感 経営~労務まで一体的支援で成果

  • 環境に優しいアルカリウォーターブラスト工法

 電解アルカリ水を使った環境に優しい塗膜剥離工法(アルカリウォーターブラスト工法)の事業化で、昨年9月に「異分野連携新事業分野開拓」(新連携)計画の認定を受けた崎上工業㈱(岡山市)。左官業から新事業への進出に当たり就業規則を見直す必要が生じ、開設から間もない岡山商工会議所の「岡山県最低賃金総合相談支援センター」を訪れたという。

 育児・介護休業法など法改正に伴う規定の見直しや、会社側の希望もありリスク管理、コンプライアンスなどに重点を置き、助言・指導を受けた。センター事業では就業規則の作成までは対応できないが、1回の勉強会はみっちり3時間に及び、かなり密度の濃い指導が可能だ。

 新事業を担当する同社の菅原正信統括部長は「自分たちで勉強して対応すれば時間がかかり、内容的にもこんなにきちんとしたものは無理。説明も形式的ではなく、事業を進める上の補助制度に関するアドバイスなど、プロの視点で指導してもらえ助かった」と専門家派遣のメリットを実感した様子。就業規則についてはほぼ完成し、現在は新事業を展開する上で必要な労働安全衛生面の検証・対応策について、同分野の専門家派遣を受けて取り組んでいる。

 同社は2008年に電解水事業に参入し、県の経営革新計画承認に向け岡山商工会議所の支援を受けた。その後の新連携挑戦も、補助制度の相談のため同会議所を訪問し制度の紹介を受けたのがきっかけで、よりハードルの高い同計画の認定を工業用途に絞ることで実現した。

 経営力向上から労務面の課題解消まで、ワンストップで体質強化につなげた中小企業支援のモデルとも言えるケースで、嵜上修二郎代表取締役は「中小企業にとって大変有意義な制度で、まずは相談してみるべき」と話している。

 電解アルカリ水を使った塗膜剥離工法

 橋梁などの塗膜剥離工事は、砂を研磨剤として吹き付けるサンドブラスト工法が主流だが、じん肺など作業者の健康や環境面で課題があり、高圧の水を噴射する場合はさび対策が必要となる。

 電解アルカリ水を使った同工法の場合、低騒音で健康面の問題はもちろん解消。さびも通常の水なら30分から発生するところ約150時間不動態皮膜の形成でほぼ気にならないレベルを維持。薬品を含まないためカーペットなどを洗浄しても粉状に残ることやノズルの目詰まりはなく、除菌効果を生かした幅広い用途が見込まれ、展示会などでも注目を集めている。

 今春から岡山大インキュベータに入居し、装置の小型軽量化や用途開発の研究に取り組んでいる。

本誌:2011年6.27号 5ページ

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