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連載記事人材育成のタネ 88

研修効果測定における理想と現実

  • 竹本幸史氏

 研修の効果測定をどうすべきか。多くの育成担当者が悩む問題です。重要性は高いのですが、人の行動・能力・意識の変化を促すという研修の性質上、効果の測定、可視化が難しい。今回は研修を評価する4つのレベルを紹介したいと思います。研修効果を反応、学習、行動、結果の4つのレベルで評価するものです。
 
 レベル1:反応 参加者がどのような反応を示したか
 レベル2:学習 知識・能力の向上はあったか
 レベル3:行動 研修の学びがどの程度活用されているか
 レベル4:結果 ビジネス上の成果があったか

 レベルが高いほど測定は難しくなります。たとえばレベル1、2であれば、アンケートや振り返りシートを用いて研修の場で測定可能です。レベル3になると、多くの場合、研修の場では完結せず、職場で一定期間を掛けて行動の変化を測定する必要があります。レベル4のビジネス上の成果につながるには、より多くの時間が必要であり、また、成果を表す指標の変化と研修の関係性を見極める必要があるからです。モデル自体の説明は本題ではないため、大まかに4つのレベルがあるということ、レベルにより難易度が異なることをここではご認識ください。

 研修の評価レベルが高いほど、研修の学びをビジネスで生かせたかを判断できます。一方で、測定は困難になります。実際に、これまで私がお会いした育成担当者からは、「育成は短期で成果が出るものではない。どの程度の時間(期間)を見ればいいのかわからない」「成果との明確なつながりを見出せず、納得感が薄い」「測定に手間とコストがかかる」などの声を多数聞きました。このような理由からレベル1、レベル2の測定で精いっぱいというのが多くの企業の実態です。現実をシビアに見つつ、知恵を絞ってベストを尽くす姿勢が重要です。

 では、具体的にどのように考えればよいでしょうか。3つのステップを紹介します。効果測定の考えはさまざまありますが、その一つとして参考になればと思います。
 
 ステップ1:目的を押さえ、研修でどこまでやるべきかを考える(理想のゴールイメージ)
 ステップ2:研修の種類を踏まえ、どこまでやれるかを考える(現実的実践)
 ステップ3:理想と現実を加味し、どこまでやるかを決める

 研修の効果測定は、多くの企業がジレンマを抱えるテーマです。今回紹介した考え方はあくまで一例です。研修の効果測定でお悩みであれば、弊社へお気軽にお問い合わせください。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2021年4月5日号 13ページ

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