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ジャーナルヘルヴェチア

寒冷地OKの有線ドローン開発 航続時間伸び新たな可能性広がる

  • 完成した有線ドローンシステム

 組み込みシステム開発などの㈱ヘルヴェチア(岡山市北区十日市西町8-11、森活嗣社長、資本金1000万円)は、このほど、ドローンに有線で電力を供給するシステムを開発した。寒冷地での運用などに強みを発揮し、新たな活用方法の提案にも力を入れる。

 昨年大阪で開催された国際ドローン展で、ヘルヴェチアが電力線通信技術を使いドローンに給電するシステムを出展。流氷研究が専門の大学教授で、果樹栽培家としても活動する松村寛一郎氏の目に留まり、開発構想が始動した。

 ドローンは通常20分程度の連続運転が可能なのに対し、寒冷地ではバッテリーの劣化が激しく5分程度が限界という。これに対し、有線で地上から電力を供給すれば流氷の観測などの作業を長い時間続けることが可能。課題となる給電ケーブルの軽量化のため、400Vの出力電源を使い、ドローンに装備された給電ボックスの変圧器で12Vに変換するシステムを設計。ケーブル50mで450gという軽量化に成功した。

 既に販売が終了している空撮用ドローン「ファントム2」(DJI製)を使い、市販されている有線ドローンより低価格化を実現(販売価格は未定)。寒冷地の海で有線ドローンを活用すればタイタニック号のような氷山衝突事故も未然に防ぐことができ、ごみを残すことが禁じられている南極での観測にも活用しやすくなる。また、夜間の害虫駆除、警備など長時間飛ばす作業全般に有効で、空撮のための道具だったドローン活用の可能性が大きく広がることになる。

 松村氏は大手シンクタンクでコンサルタントして活動した経験もあり、農業をはじめ多くの分野で豊富な知見を持つ。「IoT(モノのインターネット)で地域を元気にしたい」と活動してきたヘルヴェチアにとって、松村氏と連携することで「例えば県北の棚田を守るための種まきや、蛾の被害に悩むトウモロコシ畑に、集蛾灯をぶら下げた有線ドローンを使うなど、電力線通信という技術を核にしたIoTを取り入れることで、どのような世の中が実現できるのか“見える化”が進む」(森社長)と期待を深めている。

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