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インタビュー・対談備前商工会議所会頭 寺尾俊郎 氏

1人ひとりが主役の運営に 若手を登用し後継者育成へ

 備前商工会議所の新会頭に、11月1日付で副会頭の寺尾俊郎氏(コーワン㈱社長)が就任した。備前市は恵まれた観光資源を十分に生かし切れていないほか、基幹産業・耐火物の不振や人口減少などを背景に停滞感が漂う。課題が山積する現状をどう打開するのか。「会議所活動が活発になれば、地域も良くなる」と硬直化した組織体制の見直しを図る新会頭に話を聞いた。

就任の抱負。

 前任の長崎信行名誉会頭から、「次の時代のベースづくり」という課題解決を託されているので、在任中に硬直化した会議所の組織・運営体制を見直したい。会頭就任を打診された段階で70人いる議員の人選について、事務局に若返りと女性の登用を依頼した。顔ぶれが入れ替わった議員には「一緒に決めたことは共に行動してほしい」と伝えた。会議所活動が活発になれば地域も良くなるという信念に基づき、まずは1人ひとりが主役になる運営体制を実現させたい。

2人体制の副会頭は共に新任を登用した。

 副会頭には安藤義幸クラレケミカル㈱取締役、服圓良子常盤旅館代表を起用した。安藤氏には、大手企業での組織運営の実績と、固定概念や過去にこだわらない新鮮な視点での意見、企画提案を期待している。服圓氏は女性会の会長で、県下商工会議所でも現役の女性会会長の副会頭就任は初の試みとなる。今回女性議員も7人(旧体制3人)に増やしており、女性の会議所活動参画のシンボル的存在として期待している。エリア内では女性経営者が増えており、社会的にも女性の意見は地域活性化に欠かせなくなっているので、どんどんアイデアを出してもらいたい。 

産業活性化策は。

 基幹産業である耐火煉瓦にかつての勢いがなく、就職を機に若者の市外流出が進んでいる。備前には山が多く平地が少ないため、企業誘致も思うように進んでいないのが地域の現状だ。ただ、既存企業・事業所には優良企業が多く、備前市は工業出荷額約2700億円で県下4~5番手となっている。まずは地域の人に地元企業の魅力を知ってもらうため、11月27日に初めて「産業フェスタ」を開催した。職場疑似体験や企業のPRコーナーなどを設け、地元企業の現状を把握できる内容にした。窯業では、昔のように黒煙を排出することはなく自然環境に配慮した設備が導入されていることが認識されたと思う。継続開催することで、企業を知り地元で就職する若者が増える流れを築きたい。

観光振興について。

 特別史跡・旧閑谷学校や備前焼など地域外の人が訪れる観光資源に恵まれている。ただ、その財産を十分に生かせていないのが課題だ。最大の集客イベントとなっている備前焼まつりにしても、昔からあまり内容が変わっておらず来場者は減少傾向にある。近年では音楽と合わせた新しい企画が好評だった。いい部分を残しながらも、時代に合わせた変化が求められていると思う。

 町づくりにしても、もっと備前焼に触れられる機会を増やす取り組みが必要だ。たとえば、片上商店街と周辺(延伸約1㎞)で電線を地中化した上で遊歩道にし、備前焼の灯ろう台と明かりで備前らしいムードを演出すれば、流入人口増加につながると思う。また、インバウンド客向けにビジネス英会話の講習や、おもてなしの接客の勉強会を開くなど受け入れ態勢も充実させていきたい。

中長期的ビジョンについて。

 もっと若い人が活躍できるように、経営者や企業関係者でなくても青年部や女性会活動に参加できるようにしていきたい。副会頭時代から女性会の会合や催事などには参加してきたが、青年部の会合にも可能な限り出席し運営面で意見を出していきたい。組織体制が整い次のステップに進むと、新しい企画をどんどん発想できる能力に優れたリーダーが必要になる。それまでに有望な若手を育て上げバトンタッチすることが私の役目だと考えている。

●てらお・としろう
 現真庭市出身。大東文化大学経済学部卒。1975年10月、コーワン㈱入社。取締役を経て90年から社長。同商工会議所では2013年から副会頭。趣味はギター演奏。妻と死別し、備前市東片上で1人暮らし。67歳。

本誌:2016年12.5号 17ページ

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