WEB VISION OKAYAMA

連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

リニューアル後の大原美術館

 昨年は倉敷の大原美術館がマスコミにしばしば取り上げられ、あらためて倉敷という首都から遠く離れた都市で生まれ育った珠玉のような美術館が、そこに住んでいる人々にとっていかに心のオアシスになってきたか、その存在の大きさが番組や記事を通じて垣間見られました。

 旧年中はリニューアルオープンした大原美術館を訪れる機会がないまま新年を迎え、正月3日の日曜日に出かけてみました。コロナ禍の再燃で案外お客が少なく、ひとつひとつの、多くは見慣れた作品をじっくり鑑賞することができました。

 リニューアル工事は主として空調設備の更新だったと思いますが、展示方法も画期的に改善されていました。ギャラリーの照明が相当落とされ、逆に作品それぞれにスポットライトが当たっている。すると今まで何十年も通り一遍の絵として鑑賞してきた作品の中の人物像が俄然生気を帯びて、彼ら/彼女らの人となりや人生観までがキャンバスから飛び出して私に何かを訴えてきます。

会員申し込みはこちらから

本誌:2021年1月18日号 12ページ

PAGETOP