WEB VISION OKAYAMA

連載記事人材育成のタネ 83

女性活躍に最も重要なこと

  • 竹本幸史氏

 岡山市主催の女性活躍推進シンポジウム「選ばれる企業の共通点〜女性活躍で“人財”も売上も〜」が10月13日に開催されました。私もパネリストの一人として登壇し、岡山の女性活躍推進についてお話をさせていただきました。今回は企業の女性活躍推進について改めて考えて見たいと思います。

 まず女性活躍推進を考える上で理解しておかなければならないのが、2015年8月28日に成立した女性活躍推進法です。女性活躍推進法とは、働く場面で活躍したいと願うすべての女性が、その個性と能力を十分に発揮できる社会を実現するために、女性の活躍推進に向けた数値目標を盛り込んだ行動計画の策定・公表や、女性の職業選択に資する情報の公表が事業主(※)に義務付けられました。(※ 常時雇用する労働者が300人以下の民間企業等にあっては努力義務。301人以上は義務化)

 では、現在どのような課題があるのか。弊社では、2020年9月に岡山県内企業約70社の経営者、人事担当者にアンケートを実施しました。その中で見えてきた課題は大きく3つです。1つは、職場の風土や周囲の理解不足、2つ目は子供の預け先の不足。3つ目は、女性の昇進意欲が低い。この課題を企業視点から考え、「自分たちで取り組めること」で切り分けると1つ目と3つ目が自社で解決できるものとなります。その解決のため、具体的に取り組んでいる企業数社にインタビューを実施し、解決のために必要な要素を導きだすことができました。その要素は、時間をかけて、諦めることなく継続的に取り組む(3年〜5年)。経営の意思決定。組織問題に向き合い続けるというものでした。具体的な取り組み事例としては、女性社員とその上司を対象としたキャリア形成研修の実施、正社員だけでなく、パート社員も対象とした家族手当にプラスして「子育て支援手当」を中学卒業まで支給、育休中の相談窓口を設置、時短勤務、提携保育園の確保、全体的な働き方改革の一貫としての「スーパーフレックス制度」の導入などでした。

 常に私たちの環境は変化しています。その中で、どのような組織を目指すべきか。また、目指したいのか。実現のためにどのような問題が事実として存在しているのか、具体的にどのような解決策があるのか。絶えずこのサイクルを回し続けることが重要です。

 そのサイクルを回し続けていくと必ず起こる変化があります。それは一緒に働く社員の仕事に対する意識です。取り組んでいる企業の社員は、とてもイキイキと意欲的に働いていました。組織に対するエンゲージメント(愛着)度が非常に高いのです。企業としての方向性を提示することで、将来の不安が安心に変わる。人はだれでも組織に貢献したいと考えています。ただし、その強弱はあります。それが毎日変化することもあります。エンゲージメント(愛着)が高ければ、高い水準で継続的に行動につなげられる。結果、成果が出てることで、その人に共感し、良い思考を持った人が集まるのです。安心して働ける環境を提供することは、会社経営にとってマイナスがありません。女性活躍のために、組織において最も重要な価値指標こそエンゲージメント(愛着)ではないでしょうか。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2020年11月2日号 11ページ

PAGETOP