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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

顔のシミ取り

 このごろスマホを見ていると顔のシミ取りの広告がよく割り込んできます。うるさい広告は即刻スキップするので、それがどんなものなのかよく知りません。たぶんシミ取りクリームかなんかを購入せよというお誘いではないかと思います。

 でもなぜ高齢男性の私のスマホにシミ取りの広告が配信されるかというと、実は私の顔には左の目尻から頬にかけて大小数個のシミがあり長年気になっていました。たぶんネットでシミ取りについて検索した記録が業者に流れてその結果広告が集中したのだと思います。

 それはともかく、シミ取りとはいえ正体不明の薬剤を顔に塗るのは怖いので、先日、日頃お世話になっている大学病院の形成外科の先生に相談を持ちかけてみました。医師は私の顔のシミを見て、「こういうのは街の美容外科の方がいいレーザー治療器を持っているし上手ですよ、紹介状を書きますね」と言われたのにはちょっと意表を突かれました。

 確かに畏れ多くも大学病院の形成外科は大やけどの治療や欠損した体の修復など重篤な症状で苦しむ人々を助けることに存在理由があるのであって、年寄りが「顔のシミが気になるから取ってくれ」などと言って訪ねるのは少し場違いかも、です。

 しかし、私にはむしろ派手な広告を打つ街の美容外科の方が雰囲気的に敷居が高く、少々旧式の器械しかないといっても、やはり大学病院の先生にお願いすることにしました。こうして長年の懸案事項だった悩みは解消に向けて一気に動きました。

 レーザー治療は麻酔なしで簡単でした。レーザーを照射するたびにバチン、バチンと衝撃音と痛みがほっぺたを走り抜けます。1カ所に数回照射するのですが、トータルでは軽く一発顔面を殴られたような感じでした。そして1週間後、診察室で顔に貼られた絆創膏を剥がしてもらいました。シミは消滅していました。むしろシミがあったところが白くなりすぎて目立つくらい。そのうち顔の地色に同化していくのでしょう。

 顔のシミは老化現象であり病気ではないとのことで全額自己負担でしたが、シミがこんなにも簡単に取れるのなら全然不満はありません。「次は醜く突き出た我がお腹を何とかしなくちゃ」とはずみがつきます。ただしこればかりはお医者さんに頼ることはできませんね。

本誌:2020年11月2日号 14ページ

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