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連載記事人材育成のタネ 59

人事評価制度を人材育成につなげるために必要なこと①

  • 竹本幸史氏

 処遇の材料と見られやすい人事評価(人事考課)制度ですが、本来の目的は人材育成と企業の業績向上であり、2つの目的が支え合うことで、貢献度に応じた処遇を与えることが可能となります。今回は、目的の一つである「人材育成」のために人事評価制度をどのように活用するかのポイントを紹介します。

 与えられた仕事をこなす、成果を見るだけの評価では、意欲の高い一部の社員やスタッフのみが成長し、組織的に求める人材育成にはつながりません。人事評価が人材育成の基盤として機能するためには、何が必要なのでしょうか。

 具体的な目標に向かって行動し、その行動を通して知識・経験を養うことは、成長につながります。人事評価においても、「経営方針に沿った会社への貢献度を感じる目標」「能力に見合ったチャレンジ精神を育む目標」「本人が理想とするキャリアアップのステップとなる目標」などを設定しましょう。

 自分の仕事のどこが評価されたのだろうか。あの上司だから、評価が低いのでは…など、どこが評価されたのか曖昧だったり、自己評価や課題とのギャップを感じたりする評価結果では、部下(被評価者)が次の行動に足踏みしてしまう恐れがあります。理解が得られる評価方法でなければ、人材の定着率も不安定です。人材育成には、明確な目標達成基準と不公平感のない評価方法が必須と言えるでしょう。

 仕事への高いモチベーションは、本人の成長だけでなく、社内の雰囲気や業績なども上向きにできる好材料です。社員のモチベーションの維持・向上には、目標設定や中間面談におけるコミュニケーション、適切なタイミングでのバックアップやフォローが欠かせません。人事評価制度を人材育成の基盤と考えると、具体的で明確な基準のある目標設定や信頼できる公平な評価であること、士気を高めるコミュニケーションの必要性などが浮かび上がってきます。次回は評価者に求められるスキルを紹介します。

●竹本幸史● 元㈱リクルート岡山支社長。現在は人材育成を主としたコンサルティング業務の㈱SWITCH WORKSを立ち上げ奔走。またリーダー養成スクール「法人会員制・定額制ビジネススクール」を開講中

本誌:2018年11月5日号 19ページ

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