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連載記事マネーの道しるべ 40

危険タックルとどう向き合う

  • 森康彰氏

 世間を騒がせている日本大学アメフト部の危険タックル問題は、日本社会に内在している問題がたまたま顕在化したと思います。損保業界でも、表面上は代理店が合併することは認められていますが、現状は違います。もう少し書くと、代理店同士が合併するときに保険会社はそれを阻害することはないと明言していますが、最終決裁者である支店長は、営業数字の責任があるので代理店同士の合併により数字が落ちることを好みません。対峙している私たちにもその苦悩は伝わってきます。正解がないからです。会社の評価基準が利益であるのに対して、行動基準が利益と相反しているのです。
 
 代理店である私たちは、何の権力もないのでただその苦悩を見守りながら、それでも辛抱強く話し合いを進めるのですが話は一向に進みません。おそらく、アメフトの危険タックルのように事故が起きるまでは現状のままでしょう。事故が起こるとすれば、2020年以降、損保代理店の手数料率が引き下げられるとき、代理店が仕事を維持できなくなり、生活が破綻するケースが出てきたときでしょうか。

 損保会社との対話の中でしばしば「会社を守るため」という言葉が出てきます。しかし、今回の危険タックルが日本大学アメフト部を守らなかったように、会社が明言している行動指針を守らず、利益を守ることは会社を守ることになるのでしょうか。きれい事であるのは理解しています。

 個人に焦点を当てると、ばば抜きのばばをつかまされた以上、そっと次の人に渡す算段を考えるしかないのかもしれません。手元にカードがほとんど残っていなくても…。地元で仕事を続ける代理店としては、中長期での展望を基に話し合いをしたいのですが、支店長は3年前後で転勤するのでそれも難しいようです。危険タックルのように背後から無防備なところに突っ込まれるわけではないので、損保代理店は現状を把握した上でできることに取り組んでいくしかありません。

●森康彰●2年間、保険代理店に勤めた後、2008年に保険コンサル会社㈲e.K.コンサルタントを設立。2014年に東京支社を設けるなど、首都圏へも業務を拡大中。 敬愛する人物は、稲森和夫、立川談志。

本誌:2018年6月25日号 13ページ

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