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企業・事業紹介コンケングループ

リサイクル事業者の農業挑戦 農業体験、直売所、レストラン 中間処理場と連携し環境教育・食育の場目指す

 解体・建築系産業廃棄物再資源化を手掛けるコンケングループが、循環型社会を学ぶ農業体験・食育の場づくりを目指し農場を整備した。名称は「藤ファーム」。中間処理場で社会見学を受け入れての環境教育に続く挑戦だ。

 中間処理場にほど近い岡山市南区藤田1040の児島湾広域農道(千両街道)沿い約7000㎡の敷地には、シイタケの菌床栽培棟4棟(367㎡)、ブドウ栽培用温室(2610㎡)、露地栽培のブドウ畑(1400㎡)、採卵鶏舎、野菜畑、冷蔵設備などが並ぶ。すでにシイタケは道の駅や、近隣スーパーで販売。飲食店にも納品している。

 ブドウは温室でシャインマスカットとマスカットジパング、露地でシャインマスカットを栽培。マスカットジパングは岡山生まれの新品種。皮ごと食べられ、シャインマスカットより香りが強く大粒な注目の品種だ。開発者林慎吾氏(林ぶどう研究所代表)の指導で困難とされる栽培に挑んでいる。来年から出荷し、量を増やしていく計画だ。

 水田を果樹栽培に適したものにするため、傘下企業藤クリーン㈱(同市)の中間処理場「リサイクルセンター」で資源化した再生砕石を埋設し水はけを改善。温室用に廃プラスチックや木片を固めた燃料「RPF」のボイラーを設置予定など、循環型農業を目指す。

 しかしこれは構想のほんの一部。すでに北側の隣接地約2000㎡を購入。シイタケ栽培棟増設に加え、使い終わった菌床を肥料化する設備を設置し、その後菌床の製造、培養設備も整備する考え。さらに土地を購入し、同社の農産物や地元の小規模農家の野菜などを販売する直売所、その野菜を使うレストラン、そして来園者がくつろげるビオトープガーデンを整備したいという。

 その完成をもって、農業を通しリサイクル、食の大切さを学ぶ場にするというのが構想の骨子だ。リサイクルセンターでのESD(持続可能な開発のための教育)・SDGs教育と連携させたツアーにも意欲を示す。すでに木造2階(延べ70㎡)の選果場兼事務所棟には講習に使えるコミュニティースペースも整備済み。循環型社会実現に資するため構想実現へギアを上げていく。

インタビュー
循環型社会の一員として地域と歩む
コンケングループ近藤義代表

―地域貢献、教育活動に注力する理由は。

 産廃業の迷惑産業のイメージを払しょくし、循環型社会の一員として地域とともに歩む企業となるためです。

 始まりは、㈱近藤建材(現㈱コンケン)が2007年に県下の解体業者で初めて掲げた暴力追放宣言でした。反社会勢力の関与が常態化している環境の中での宣言で、一気に業績が悪化。その中で個人客獲得へかじを切ったことから、事業の在り方を考えることになりました。

 そこで取り組んだのがあいさつと気配りの徹底、そして情報公開。その中でリサイクルセンターの見学受け入れにも注力しました。そこから子どもたちの環境教育の場にしたいという思いが生まれ、ESDに取り組み、環境教育等促進法に基づく「体験の機会の場」の認定取得にまでいたったのです。コロナ禍前には、多くの子どもたちが学びに来てくれました。見学をきっかけに就職先に選んでくれた社員もいるんですよ。

―なぜ農業なのか。

 ESD、SDGsの取り組みの中で食育の大切さを再認識し、環境教育ともつながりが強いと気づいたからです。リサイクルセンターでビオトープや回廊庭園を整備してきたことも後押ししました。

 藤ファームでは圃場整備や燃料として、再生資源を活用していることを学び、シイタケ菌床の生産・活用・リサイクルの流れを見ることができるようにします。そしてレストランで新鮮な野菜を食べ、五感で学べるようにしたいのです。リサイクルセンターでの見学と相乗効果を発揮できると思っています。

―そのほか実現したいことは。

 地域貢献と交流です。直売所では地元農家に限り持ち込んだものは手数料無料で販売し、菌床から作った肥料も提供したいと考えています。さらに、ビオトープやレストランが交流の場になればと夢を描いています。

本誌:2021年春季特別号 3ページ

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