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インタビュー・対談岡山髙島屋社長 上條智子氏

目標は地方一元気な百貨店 「幸せ」感じられる接客推進

  • 上條智子氏
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 ㈱岡山髙島屋(岡山市)の社長に、3月1日付で、前取締役副店長の上條智子氏が就任した。丸1年を過ぎたコロナ禍で人々の行動様式が変わり、取り巻く環境は厳しいが「百貨店は人にしかできない商売の最たるもの」と痛感する機会にもなったと言う。都市型地方百貨店として「地域の役に立てることはまだまだある」と語る上條氏に抱負を聞いた。

 ―就任の抱負は。

 簡単に言うと岡山タカシマヤは「地方百貨店の中で一番元気だ」と皆さんに言われるようなお店にしたい。

 ―副店長時代から、催事などで先頭に立って盛り上げを図る姿が印象的だった。

 「みんなにお願いすることは自分もやる」のが基本スタンス。きっかけは入社3年目、本社の「生き活き21推進室」へ異動になったこと。従業員が生き活きと働くために何ができるかを考える部署で、組織のありようを勉強し、店長や従業員とも話し合いを重ね、行き着いたのは「フラット化した組織のほうが強い」ということだった。1991年から掲げるグループ経営理念「いつも、人から。」も、現場からやりたいことを引き出しながらトップとどうつなげていくかを考え、ミーティングを重ね策定した。清掃する人、販売する人、警備する人も皆同じ、という姿勢は当時から変わらない。

 ―両備ホールディングとの資本提携解消、イオンモール岡山のフードメゾン営業終了と大きな動きが続いたが、今後の営業戦略をどう描くのか。

 両備HDの松田敏之社長の言葉を借りれば「家族から親友になった」ということ。関係性にほとんど変わりはなく、岡山を盛り上げる、地域の役に立つという点で一緒にやれることがまだまだある。フードメゾンの営業終了もとても残念ではあるが、今の環境の中では経営資源を集中させるのはやむを得ない。ただイオンとも協力関係がなくなったわけではなく、イオンモールの得意な分野に髙島屋のブランド力を加えることで街の魅力アップに貢献していきたい。

 ―ウィズコロナ、アフターコロナにおける百貨店の位置付けについて。

 コロナ禍で人はどうしても縮こまりがちだが、ワクチン接種も始まり、アフターコロナはすぐそこまで来ているはず。今回すごく感じたのは、非接触と言いながら人はなぜリモート飲み会をするのかと言えば、人と接することでしか得られない「何か」を求めているということ。コロナ禍でオンラインの売り上げも伸びたが、「百貨店は人にしかできない商売の最たるもの」とも痛感した。

 2020年は入店客が20%以上減ったが、売り上げはそこまで落ち込んでいない。それは洋服や化粧品を購入した人が買い回りしてくれた結果で、商品だけでなく、生活を豊かにするためのちょっとした提案を販売員がすることで売り上げにつながるということ。「いい買い物ができた」「うれしいな」と幸せを感じてもらえるよう接客のトレーニングを積み、都会的な雰囲気があり、都会のような買い物ができるという「都市型地方百貨店」の役割と、地場のいいものを全国へ発信するという役割にも力を入れ、再来年の開店50周年をいい形で迎えられるようにしたい。

 ―勤務8年目となる岡山の印象について。

 岡山はまだまだ今から発展できる数少ない地方都市の1つだと思っている。東海道沿線で言うと、東京と京都・大阪の中間の名古屋が後発で発展したように、大阪と広島の中間で交通結節点の岡山にも同じようなポテンシャルがあると思っている。岡山市だけなら70万都市だが、1時間圏内でみると550万人の商圏で、平地も多く、駅前の再開発も進んでいる。また、西日本豪雨をターニングポイントとし、県民の意識も「頑張っていこう」「助け合おう」と変わったと感じている。

 ―ストレス発散法。

 40歳からクラシックバレエを始めた。企業経営も縮こまっているといい発想は出てこないが、体幹を鍛え、ストレッチすることが次への活力になる。教室で出会う人は仕事を離れた「上條智子」と付き合ってくれるのがうれしいし、仲間がいるからこそ継続できる。岡山勤務を通じてできた数多くの仲間も心強い存在だ。

 プロフィル 1987年㈱髙島屋入社。大阪外商第1部副部長、東京店外商部第1ブロック副部長、同外商部長、岡山髙島屋取締役副店長兼営業推進部長、同取締役副店長を歴任。関西大学法学部卒。大阪府堺市出身。57歳。

本誌:2021年春季特別号 7ページ
関連リンク:岡山髙島屋

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