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インタビュー・対談健康社会学者 河合薫氏

働き方改革は何のため? 1人ひとりの豊かさ目指せ

  • 河合薫氏

 「女性活躍が拓く働き方改革への道」をテーマにしたシンポジウム(岡山市主催)が11月8日午後1時から、イオンモール岡山内「おかやま未来ホール」で開かれる。基調講演の講師とパネルディスカッションのパネラーを務める健康社会学者の河合薫氏に、働き方改革の進め方などについて聞いた。

 ―働き方改革への取り組み、社会の認識についてどうみているか。

 現状は「働き方改革」というより「働かせ方改革」。本来は人が元気に、生き生きと働くことができるような環境をつくるのが目的のはずだが、企業主導で残業時間の削減や有給休暇の取得など法令を遵守することに論点がずれ、木を見て森を見ない状況になっているのが残念。企業という森を豊かにするためにはまず土壌をつくる、つまり社員1人ひとりが豊かになる必要がある。

 ―「女性活躍」と「働き方改革」の関連性は。

 女性活躍は森全体を豊かにするものではなく、働き方改革の一部分。女性の中にはバリバリ働きたい人がいれば家計の一助になればいいという考えの人もいる。女性活躍推進法で女性管理職を30%に増やす目標が掲げられているが、これは働き方改革というより経営判断の問題。何のための女性活躍なのか目的意識が共有されていないとキャンペーンに過ぎず、先進的に取り組んだ企業では「女性活躍疲れ」に陥るケースもあるが、ここ1、2年で女性に頑張ってもらわないと会社が回らなくなり、少しずつ理解されてきたのかなと感じている。

 ―働き方改革に取り組む企業へのアドバイス。

 社内の人間関係、パフォーマンスを把握しやすい中小企業では、働き続けてもらうためパートの給料、産休制度の導入など案外働き方改革ができているケースもある。一方で「残業を減らすと立ちいかない」という考えの企業が多いのも事実。「仕事」「健康」「家族」という3つのボールを、必要に応じてジャグリングのように回しながら働き方改革を進めてほしい。

 シンポジウムでは、第1部で河合氏が「生産性を高めるチームの作り方―一人ひとりが輝く職場」をテーマに基調講演。続いて河合氏のほか、大森雅夫岡山市長、高田美紀子岡山商工会議所女性会会長、大山和弘㈱中国銀行人事部次長によるパネルディスカッションを行う。定員300人、参加無料。申し込みは事務局の㈱OHKエンタープライズ(FAX086-254-3649)へ。

本誌:2019年11月4日号 15ページ

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