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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

会話上手になるポイント

 会話力が欲しい、雑談力が欲しいと願っている方はとても多いのではないでしょうか。本屋さんの中を歩いていると、会話や雑談に関しての本が入り口近くに大きなスペースをとって並べられていることが多いようです。うまくコミュニケーションをとりたいと悩んでいる人がそれだけ多いということの証のように感じます。

 雑談力を鍛えたい、会話力を鍛えたいと願っている方はとても優しい方なのではないでしょうか。コミュニケーションはその場に居合わせる方の共同責任なのですが、自分がもっと雑談力あればこの時間がもっと充実したものになるに違いないと、自分に責任があるように感じてしまうのでしょう。わたしは「伝える」プロとして研修やコンサルティングの場でご指導することも多いのですが、会話や雑談に困っていないとおっしゃる方の中には、相手の時間泥棒のように一方的にしゃべり続ける方もいらっしゃり、そのような方の方が自覚なし会話下手だなと認識しています。どんな言葉でどう伝えるか以前に、コミュニケーションには大きな土台があります。

 とあるテレビ番組で婚活中の男女に密着していたのですが、男性は「とても話が盛り上がったあの女性は自分と気が合いそうな気がする」というのですが、女性は「疲れた、また会いたいとは思わない」と意見が分かれました。男性は女性が気を使い話題を振り続け、会話が途切れることなく努力してくれていることに気がつかなかったのです。本当の会話下手は、自分では気がつかないのかもしれません。

 会話上手になるポイントは2つです。まず、相手の関心に純粋な関心を寄せること。そして、自分から優しい明るい空気が発せられていることを意識すること。まず、自分から明るい空気が発せられていることに関してからお話しします。どういうこと?と思われた方も多いかもしれません。例えば、エレベーターの中で上司やお客様と二人きりになった時、しばらく密室の中でシーンという音が聞こえてきそうで、何か話しかけなくてはと焦ってきてしまう。焦って話を振っても、話題が合わなかったのか一言程度しか返ってくることはなくて、余計焦ってしまうというようなシーンです。

 会話は共同責任ですから、部下である自分が何か話しかけなくては!と自分ばかりが責任を感じることはなかったかもしれません。たとえ話題がなかったとしても、心の中で鼻歌でも歌っているようなプラスの空気を醸し出していたら、その空白の時間は、歌の中の間奏のような心地よい空白になるのかもしれません。

 空気を読むのが得意な人は、人の発している空気に敏感です。しかしその反面、自分の発している空気に鈍感であったりします。特に敏感に受け取りがちな人は、人が発している空気の暗い部分、重い部分に気が付きやすく、その分自分からも「嫌われているかも」「変に思われていないかな」といった「疑心暗鬼」的な暗い空気が出ていることに気がつかないことが多いのです。

 わたしたちは言葉自体よりも、その醸し出されている空気の方を本能的に感じ取ってしまうからなのでしょう。相手が会話を楽しみたいと思っているわけではないことを察知してしまいます。だからこそ、会話のキャッチボールがすぐに終わってしまい余計に焦ってしまうということに陥ってしまうのです。

 次に相手に純粋な関心を寄せるということです。どうしようまずい会話をしなくては、と焦ってしまっている時には自分の関心は自分にしか向けられていません。会話を弾ませようと思ったら相手に関心を寄せないとうまくいきません。幸いSNSが発達し、その方の名前で検索をすれば何かしらの情報が事前に手に入ることも多い時代です。お会いすることが分かっている方がいるのなら、たった5分でもその方の最近について情報があればグッと会話が弾みます。とくにブログを書いている方にとっては「ブログを読んでいます」ということが分かる会話のきっかけはとても嬉しいものです。純粋に相手の関心に関心を寄せてみる下準備も大切にしてみてください。

本誌:2020年7月13日号 19ページ

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