WEB VISION OKAYAMA

巻頭特集日韓対立の余波岡山にも

ゴルフツアーなど観光に陰り ホワイト国除外の反応に戦々恐々

  • 岡山―ソウル線でも客足が鈍っている

 韓国人徴用工訴訟問題や日本の輸出管理厳格化など日韓関係の悪化の影響が岡山県下でも現れだした。特に分かりやすいのが、韓国人観光客の減少。大韓航空岡山事務所によると8月の予約が減少、ゴルフ場も徐々に韓国人客のキャンセルが入りだしているという。そんな中8月2日に「ホワイト国」から韓国を除外する政令改正が閣議決定され28日に施行することが決まった。日本に対する感情の悪化に終わりが見えない中、観光業界の懸念は高まっている。

ソウル線の団体客が減少

 7月4日の高純度フッ化水素など3品目の輸出管理強化を引き金に爆発した嫌日感情は、瞬く間に不買運動に発展。韓国のLCCが九州への3路線の運休を決め、島根県でも10月まで運航が決まっていた訪日客専用のチャーター便が一時運航中止となるなど、地方のインバウンドに影を落とす事態となっている。

 昨年度約3万8500人(岡山県調べ)の韓国人客が宿泊した岡山県にも影響がじわり。大韓航空岡山事務所によると岡山―ソウル線の搭乗客数は7月こそ昨年の水害による風評被害の反動で前年同月比20%の増加見込みとなったものの、8月のチケット販売状況は7月末時点で昨年と比べ3%減と、苦戦した昨年をさらに下回るペース。大きなキャンセルこそないものの団体需要がかなり縮小しているという。

ゴルフ場ではキャンセルも

 韓国人に人気の観光コンテンツ・ゴルフにも影響が現れだしている。36ホールで1日に複数回プレーでき、料金もリーズナブルと人気の日本原カンツリー倶楽部(美作市)では、6月後半から韓国人客の利用が鈍りだしたという。限定的ながら個人客のキャンセルも発生。さらなる反発が予想される「『ホワイト国』からの韓国除外の影響を注視している」としている。

 岡山県下のゴルフ場では近年、会員の高齢化やゴルフ離れの打開策として、中国語圏、韓国からのインバウンド受け入れに注力してきただけに、水を差しかねない頭の痛い状況。昨年、現地の有力プランナーと専属契約を結び本格的なゴルフツーリズム誘致に乗り出した後楽ホテル・後楽ゴルフクラブなど複数の県下名門ゴルフ場、ホテルで構成するプロジェクトチームも、韓国からの8月の受け入れ客数が68%減少。小規模ながらキャンセルも発生しているという。

 問題は秋以降。炎天下でのプレーとなる8月に比べ、規模、数ともに段違いに大きくなるが、韓国ではあまりにも世論が悪化しているためゴルフツアーの告知、募集自体ができない状況となっているためだ。

 一方韓国への日本酒輸出で年間400万円の売上高を上げる㈱辻本店の辻総一郎社長は、「今のところ影響はなく、悲観もしていない」という。「現地を見てきたが、過剰に反応しているのは一部のみ。特に日本酒を好む若い世代は比較的冷静」だったためだ。

難しい対策

 原因が国民感情の悪化だけに、対策は難しい。大韓航空岡山事務所では、ソウル線が発着する仁川空港をハブとする東南アジアなどへの乗り継ぎ利用を強化する方針だが、ゴルフ場などではホワイト国除外でどれだけ影響が拡大するか戦々恐々としながら様子見といった状況だ。

メモ
韓国人旅行者の動向

 岡山県によると2018年度の外国人旅行者宿泊者数は35万6924人。そのうち韓国人旅行者が占める割合は10.7%で台湾32.4%、中国14.9%、香港14.2%に次いで4位。2014年から5年間で約3倍増加している。

本誌:2019年8月19日号 4ページ

PAGETOP