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連載記事河村まどか マナー講座

おしぼりのマナー

 自粛生活が終了し、新たな生活様式への転換やウィズコロナとの言葉についても考えさせられる時代となりました。7月に入り、新たな生活様式の方法について、率先したお考えを提案すべきお立場の貴方様でいらっしゃることと思います。会食時のマナーについても、新様式に慣れるべき部分が多々あります。

 私がマナーについて学んできた中で思いましたのは、マナーのツボは人それぞれであるということです。貴方様を前に申し上げにくい内容ではありますが、全くマナーについて気に欠けていらっしゃらず、お行儀悪い印象のお方でいらしても、実は、「〇〇のマナーってこうだよね?これをしない人は気にかかる」とおっしゃるお方が多くいらっしゃるのです。私からすると、「そんな小さなことより、もっと大きなお行儀に気を付けなさいよぉ~」と思うところではありますが、その人にとっては、その部分がマナーの重大なツボであるのですから、私としては、全てのマナーを満遍なく修得し実践することにより、貴方様の前で失礼のない対応が成立するということになります。

 暑くなってまいりましたので、毎年恒例の“おしぼり”についてお伝えします。今まで、何度もお伝えしておりますのに、未だお行儀の改善をなさっていない貴方様は、今年こそ真面目に受け止めてくださいませ。

 その理由は、周囲の方々も衛生面には大変敏感になっていらっしゃる時期だからです。どなた様より、寛容な心の持ち主でいらっしゃる貴方様が、周囲の目はお構いなく、との素敵な個性をお持ちなのは多いに尊敬致しますが、今回ばかりは、しっかりと学んでいただくことと致しましょう。

 難しいことは申し上げません。この度は、会食時の“おしぼり”のみのお話しといたします。「コロナソカイは歓迎しない」との言葉を耳にしたことがありますが、2月中旬からは一切、岡山県外には移動しておりません。7月になった現在、かの全国的に有名なレストランがどのような衛生面の対策をなさっているのか気にかかりましたので、伺うことは距離的に難しいので電話にて伺いました。

 サービス面でも高評価のその洋食レストランでは、おしぼりの用意が今までもありませんでした。おしぼりは日本式の考え方なので、設置しないとのことでした。(パンは指先でちぎりますのでその時の対策方法は今回は省きます。ちぎらず大口でかぶりつくとの意味ではござませんことは申し添えておきます)現在は手の衛生面が今まで以上に気にされる時代ですので、参考のため質問したみたところ、手指用の消毒液の用意をしている。とのことでした。

 余談はさておき、日本の生活様式の中では、おしぼりの用意がある飲食店も多いことと思います。その場合は、会食前に、「手」を拭くものとしてお使いください。「口」を拭く用途には使用なさらないでください。テーブルナプキンの用意がある場合は、口はテーブルナプキンで拭いて下さい。食事前に手を清潔にする用途として、使用したおしぼりで、お口を拭くのはマナー違反です。

 今までは、マナーなんて気にしなくても…。との言葉が貴方様の口癖だったようにも思いますが、貴方様のお立場では、率先して衛生面を気にかけた会食方式が求められています。テーブルナプキンの用意がない場面では、ご自身の清潔なハンカチでお口を拭いて下さい。

 お箸のマナーとしては、お箸の先はたくさん汚さず、ほんの先の方のみにお料理が付くようにする。すなわち、お料理の分量が少ない状態でお口にお料理を運ぶわけでありますから、お口周りがそれほど汚れない。との考え方もできますが、どうしても唇には、脂分がついてしまいます。その脂分がグラスに付いてしまうと、美しい透明のグラスの姿に脂分が映ってしまい、貴方様の印象を崩してしまいます。もう少しはっきり言った方が宜しいでしょうか?

 グラスに貴方様の唇に付いていた脂分が付くと、グラスが汚くなる。そうすると、貴方様の印象が不潔になるからです。脂分だけなら良いですが、食材までくっついてしまっていては、何とも格好悪い印象です。常にお口周りは清潔な印象を保ってください。

 上記内容から致しましても、首や顔をおしぼりで拭く話題なんて微塵も出てまいりませんね!今まで以上に、会食の機会が貴重になってくる時代なのかもしれません。それも、元気な声で話すよりも、しっとりとした会食時間が求められるのですから、和食のテーブルマナー、洋食のテーブルマナーともにしっかりと、修得しておきましょう。

 会食の新様式に備え、そこまで気にかけなくても。という部分まで全ての知識を気にかけ、様々な対応品をカバンに常備するようになりました。それは、私自身のためだけのものではなく、貴方様用にもと思い常備しているものです。きっと貴方様の周囲の方々も貴方様のために用意なさっているものがあることでしょう。そのような場面に出くわした時には、一言、お相手に労いの言葉をかけてあげてください。

本誌:2020年7月20日号 25ページ

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