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連載記事なんでもQ&A[知的財産]

拒絶可能性のある一部の請求項

 Q 請求項1と請求項2とを特許請求範囲が有する特許出願に対し、請求項2は拒絶理由を有し、請求項1は拒絶理由を有さない旨の拒絶理由通知が送達されました。重要内容の請求項1は迅速に必ず特許してもらうと共に、請求項2も特許を取得するために争いたいのですが…。

 A 現在の特許出願のまま、請求項2に係る拒絶理由に対する反論等(通常、意見書や手続補正書等を提出する。)を行うこともできます。しかし、この反論等を参酌しても、特許庁審査官が、請求項2に係る拒絶理由が解消されていないと判断すれば、拒絶理由を有さない請求項1を含んだまま、この特許出願全体が拒絶査定されてしまいます。この拒絶査定がされてしまいますと、拒絶理由を有さない請求項1を特許するには拒絶査定に対する不服審判を請求する必要があり、そうなれば手間、費用及び時間等を要します。

 これを防止するため、請求項1と請求項2とを有する現在の特許出願(以下「親出願」)から、拒絶理由の対象となっている請求項2を削除する手続補正をすると共に、削除する請求項2について特許出願(以下「子出願」)を新たに分割出願する方法があります。この分割出願を行うことで、親出願には、拒絶理由を有さない請求項1のみが残りますので、親出願は迅速安全に特許査定を受けることが期待でき、請求項1に関する特許権を取得できます。そして、子出願は、拒絶理由の対象となった請求項2を有しますので、請求項2の特許性を争うことができます。このように、危険な請求項2と縁を切って、安全な請求項1を安全迅速に特許すると共に、請求項2の特許可否をじっくり争うことができます。

 この請求項2削除の手続補正と、子出願の分割出願と、は同時に行います。そして適法に行われた子出願は、親出願の出願時にされたものと見做されます。従いまして、子出願の出願審査請求は、親出願の出願日から3年間行うことができますが、この3年が経過した後でも、子出願の出願日から30日以内に行うことができます。

 なお、分割出願につきましては、子出願を迅速的確に審査できるよう、子出願の発明と親出願の発明との関係等を説明する上申書を、子出願の出願審査請求以前に提出するよう求められています。

本誌:2020年5月25日号 20ページ

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