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温泉から室内プールへ(下)

 町中の温浴施設は年中無休で早朝から深夜近くまで営業しています。“いつでも温泉に入れる!”というのはいいものです。雨がしょぼしょぼ降るわびしい夜、パッと思い立って大家族の湯まで車を走らせ、熱い温泉のお湯に浸かりサウナで汗をかいたらひきかけた風邪もあっという間に退散です。降り止まない冬の小雨のなか露天風呂でのんびりしていると気分は奥飛騨慕情です。

 温浴施設でも十分運動になるのですが、もっと本格的な運動効果を得るためにあちこちの室内プールを探訪しました。まず訪れたのは岡山市南区豊成にある市営の屋内温水プールです。このプールに来たのは40年ぶりです。当時50mの室内温水プールは全国的にもまれな存在で岡山市民として誇らしく思ったものです。

 ところが久々に出掛けてみて感じたことですが、施設全般の経年劣化が激しいということでした。何よりも水深が浅いのは致命傷です。岡山市の財政状況は厳しいのでしょうがぜひとも早期に豊成のプールの建て替えをお願いしたいと思います。

 次に行ってみたのは倉敷市屋内水泳センタープールです。このプールも岡山市民プールと同じぐらい昔にできたものですが、落成当初から立派なものでした。とりわけ50mプールは水深が1m60㎝とやや深いので泳ぎやすい。

 日本のプールは一般の利用者の安全を考えてか水深が浅すぎる傾向にあります。水球やシンクロナイズドスイミングにとって浅いプールは致命的で、これらのアスリートたちは練習場の確保に大変苦労しているのではなかろうかと思います。

 1970年ごろドイツ人の友人に招かれドルトムント近くの人口9万人の町に滞在したことがあります。プールに出掛けて驚きました。50mプールの床は使用目的に応じて上下する可動床で、そんな設備を見たのは生まれて初めてのことでした。日本でも最近この方式による深いプールが普及し始めました。

 岡山市民プールの建て替え計画があるのかどうか存じませんが、次はぜひ現代のニーズにマッチしたレベルの施設にしてほしいと願っています。プールに出掛ける高齢者が増えれば増えるほど老人にかかる医療費は減るでしょう。私も運動を始めて血圧の薬と別れることができました。

本誌:2015年12.14号 21ページ

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