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巻頭特集注目集める長船町の最終決断の行方

表明の期限は2月15日 対話で理解は深まるか

 合併問題に揺れる邑久郡長船町の、最終決断の時期が迫っている。このほど3回目となる住民対話集会を町内の延べ7会場で開催。牛窓、邑久との3町による合併協議会に対し態度を表明するタイムリミットとなる2月15日に向け、住民のコンセンサスを得るための最後の調整を行った。間もなく下される清家隆宣町長の政治判断が注目されている。

 「最終決断の前に今一度皆さんの意見を聞き、長船町にとって間違いのない対応をしたい」-。1月23日に開催された対話集会で、清家町長は町民にこう話し掛けた。約70人の参加者からは「合併することに本当にメリットがあるのか」など厳しい意見も相次いだ。

 平成14年8月には法定協議会(会長・東原和郎牛窓町長)を立ち上げ、新市名を「瀬戸内市」とするなど県下でもトップを切って順調に進んでいたかに見えた合併協議がつまずいたのは、昨年10月に長船町で実施された住民投票だった。結果は反対が多数を占め、法定協は2月15日まで休止に追い込まれている。

 これまでの経緯を振り返ると、住民投票条例は一部の町議主導で制定され、町長選などで生じた町長との対立構図が今回の事態を招く一因になったとの指摘もある。わずかな審議時間で決まった住民投票の投票率は56%で、反対の理由も名称に関するものなどもあった。

 このような中で、「あまり関心を示していなかった町民の意識が変わり、自主的な動きが出てきた」(町行政推進室)と言う。昨年12月には町民有志が有権者の過半数を超える約5200人分の署名を添えて合併推進の決議を求める請願を議会に提出(継続審査中)。「町民の多くは合併に賛成のはず。議会の決定は町民の意思とはかけ離れているのでは」と語る関係者もいる。

 昨年12月議会では、14人の議員のうち7人が請願を継続審査とした。議会筋によると、大半の議員が大枠では合併の必要性を理解しており「対話集会の雰囲気を見て、(7人のうち)2人程度は賛成することになるのでは」との見方もあり、そうなれば議会のゴーサイン(請願採択)を経て合併調印への流れができることになる。

 合併に向けた手続きは、法定協での調印の後に各議会に執行部が議案提出する運びになる。調印を求める周囲の声に清家町長が同意しなかったのは、最後に議会の議決が得られなければ「後がない」事態に陥るためだ。しかし、合併推進を掲げて就任した町長の立場から、今回は仮に議決見通しが立たない場合でも調印に踏み切り議会に下駄を預ける-との選択肢も考えられ、関係者は町長の態度表明を固唾を飲むように見守っている。

【写真説明】住民対話集会で合併への理解を求める清家町長(長船町の福岡集会所)

本誌:2004年2.1号 6ページ

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