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連載記事山田響子の魅力を引き出すコミュニケーション術

恐怖のマネジメントのループを断ち切る

 ここ数週間にわたりニュースやワイドショー番組で持ちきりの話題がありますね。日本一を誇っていた、自動車買い取り販売の会社の不祥事についてです。皆様も、そんなことまでやっていたのか!と憤りや驚きと共にニュースをご覧になっているかもしれません。あの会社で行われていたことは「恐怖によるマネジメント」と言えるのではないでしょうか。

 できてない個所の指摘。高すぎるハードル(目標設定)。人格否定につながる叱責。まさに勇気くじきにあふれる職場環境だったことでしょう。経営陣からの勇気くじきにあう、上層部。上層部からの勇気くじきにあう、現場管理者。現場管理者からの勇気くじきにあう、現場スタッフたち。そんな負のループがまん延していたことが見て取れます。特に現場管理者の方々は、高い給与と引き換えに大きなプレッシャーを受け、ほんの少しの出来事で即降格、給与も激減するなどもあったようですね。

 恐怖によるマネジメントは一時的には効果を発揮するかもしれません。手っ取り早く業績を上げるためには大きな力を発揮したのかもしれません。けれど、このような形で綻び始めると日本一の会社であってもあっという間に転落してしまいます。恐怖のマネジメントは麻薬のようなもので、一時的な快楽を手に入れたとしても身の破滅につながります。

 お伝えしたように「勇気くじき」の負のループは上から下に伝染して行っていることが分かります。だからこそ、経営陣、上層部、管理職は、人の内側からの動機づけに火をつける、勇気づけのマネジメントを心掛けていただきたいのです。

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本誌:2023年8月21日号 16ページ

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