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連載記事スローライフ~午後4時の窓辺から~

コロナが終息する日を夢見て

 昨年のちょうど今頃はカナダ在住の従姉妹たちとハワイで合流し、おだやかで楽しい時を過ごしました。そして帰国直後から日本でもコロナウィルスの市中感染がおき、またたくまにパンデミックと化しました。

 それから丸1年が過ぎ、オーストラリアのようにほぼ完全に封じ込めに成功した国もあれば、アメリカ合衆国のように40数万人という途方もない死者を出した国まで、国ごとの対策とその結果に大きな違いが見られることになりました。世界の主だった地域を俯瞰すると、効果的な対策を強力に押し進めた地域では感染者数の押さえ込みがうまくいき、そうでない地域では感染爆発に歯止めをかけることに失敗したのがこの1年でした。

 その中で「ジャパン・パラドックス」と異彩ぶりを不思議がられるのがわが日本です。首都圏や関西圏のように現在も非常事態宣言が継続して出されている地域に住んでいる方々には申し訳ない表現になってしまいますが、率直に言って日本の規制は欧米諸国と比較するとまさにゆるゆる、穴だらけ、と言っても過言ではありません(それがダメだという意味ではなく)。むしろよくこれで徹底的な検疫と感染者の隔離政策を行っているオーストラリアと死亡率の少なさにおいて遜色がないものだと感心します。

 普段から手洗い、マスク着用、人前で大声を出さないなど基本的な生活習慣が幸いしています。さらに医療水準が高く国民皆保険制度が威力を発揮しているなどもともと有利な条件に恵まれ、またそうした社会を作り上げてきた日本人の素晴らしい生き方の成果とも言えるでしょう。

 カナダの従姉妹たちと時折長電話するのですが、厳冬のカルガリーでは今日も気温はマイナス28度で家の外には出られません。近所に住んでいる親族との相互訪問も規制があってできず、喫茶店にも行けないようです。「毎日毎日、朝昼晩3度の食事の用意をするのはもう飽き飽き、こんな生活うんざりよ」と電話の向こうから絶望の声が聞こえてきます。

 これに比べれば岡山での日々の生活には何の不便もありません。買い物にも行けるし、飲食店に行くのに何のおとがめもなし。むしろコロナを恐れて家の中に閉じこもってウツになっている人々こそ散歩や買い物などで外出してほしいものです。

本誌:2021年2月22日号 13ページ

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