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インタビュー・対談岡山商工会議所会頭 松田久氏

幅広く意見を聞きかじ取り 会員同士をつなぎ活性化へ

 4月1日付で岡山商工会議所の会頭に就任した松田久氏。任期半ばで退任した岡崎彬前会頭から会議所運営を引き継ぎ約2カ月が経過した。本来岡崎前会頭が任期を務めるはずだった10月末までは、意思を引き継ぐとしているが、その後どうかじを取っていくのか。現在の思いを聞いた。


就任から2カ月近くたった感想は。

 どんな仕事があってどう動いているのかを知るために職員全員との面談を進めているところだが、まだまだ分からないことばかり。責任をひしひしと感じつつ今後どのように運営すればよいのか模索している。とはいえ岡崎前会頭の本来の任期だった10月末までは、すでに決まっている方針に従って、粛々と務めたい。また、面談を通し優秀な人の多さに感心しており、心強さを感じているところだ。

どのような会頭を目指したいか。

 決めているのが、独りよがりにならないようにコミュニケーションをしっかりとること。いろいろ考えはあるが、自分がやりたいことが正しいのか、いろんな方からしっかり意見を伺ってかじ取りしていきたい。会員はもちろん、会員のネットワークをお借りし国内外を問わず幅広く意見を聞いていきたいと考えている。

重点的に取り組みたいことは。

 人口減少社会に適切に対応し、岡山を、そして会員企業を活性化させることだ。特に労働人口が減り働き方改革が求められる中で生産性向上の支援が重要と考えている。AI、5Gなど生産性を高める新技術は、経済構造自体を変える可能性があるという面からも対応が必要だ。

 また岡山に住みたい、働きたいと思ってもらえる魅力、つまり岡山ブランドを確立したい。岡山には交通の結節点という地の利、豊富な水資源、安定した天候、災害の少なさ、そして観光資源とプロスポーツ、芸術、文化がある。これらをしっかり検証し究極という1つを見つけ出したい。

会員のサポートにはどう取り組む。

 岡山商工会議所を気軽に相談できるワンストップ窓口にしたい。会員には専門家も多く、(一社)システムエンジニアリング岡山などの団体、教育機関つなぐことができる。「会員になれば何でも相談できる」ことをうたえば、存在価値はさらに高まるはずだ。また、海外情勢が岡山の経済にもダイレクトに影響を及ぼす今、グローバルな視点を持ち、そこでキャッチしたものを伝えるということもしていきたい。

観光面では。

 端的にお金が落ちる分野だけに、誘客に注力したい。近く点在する古民家などを宿泊施設として再生し街ぐるみでもてなすイタリア発祥の観光振興・地域再生モデル「アルベルゴ・ディフーゾ」の日本協会の本部事務局を岡山商工会議所内に設ける予定。これを活用し、魅力創出につなげたい。

岡山商工会議所を通して描く夢は

 会員同士をつなぐことで、岡山を活性化できないかと考えている。世界を変えるような発明が岡山から生まれることは期待できなくとも、現在あるものをつなぐことでイノベーションを起こすことは岡山でも可能。5Gなどで世界が大きく変わらうとしている今、ひょっとしたら、GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)に対抗できるような企業が岡山から生まれないかと思い描いている。

 また、以前岡山市と姉妹都市のブルガリアのプロヴディフ市でブドウ酒の取引を持ち掛けられた際、予想していた量の10倍以上のロットで断念したことがある。こういったケースも、商工会議所が複数の会員企業を取りまとめるなど商社的な役割を担うことで、チャンスをものにできるのではないか。

140周年を迎える。

 来年2月6日の記念式典をはじめ12月14日の140周年を記念しさまざまな記念事業を計画している。しっかり勤め上げるとともに、重要な節目として商工会議所の棚卸をし、今後に生かしたい。

●プロフィル
まつだ・ひさし。1976年慶應義塾大学法学部を卒業。㈱三井銀行を経て87年㈱両備システムズ入社。2011年から両備ホールディングス㈱社長就任。岡山商工会議所では、2007年11月から2期6年間副会頭を務めた。66歳

本誌:2019年6月3日号 9ページ

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