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昼食事情

 石毛直道氏の著書の「食事の文明論」によれば日本人は長く一日朝夕の2回の食事が基本であった。今日のように3食になったのは江戸の後期からと言われる。蝋燭の普及などの影響で労働時間が長くなったことが理由で、お昼に食事を挟むようになった。21世紀の今「ワークライフバランス」が叫ばれている。この「ワークライフバランス」を崩したのは江戸後期の蝋燭の普及にあるということは誠に興味深い。

 筆者は化粧品業界の著名なクリエーターであるセルジュ・ルタンス氏と仕事をしたことがある。彼は何故か一日一食主義者で、朝から夕方まで全く食事をしない。夕食は肉料理などかなりヘビーな夕食を取っていた。長く一食主義を採用していると身体が慣れるのかもしれないが、どう考えてもあまり健康的なライフスタイルではないと感じたことを覚えている。岡山の人は基本的にほとんどの人が昼食を取っているが、東京では取らないという人が6%程度いるようである。一日3食が基本とすると、東京と比べ岡山の人は健康的な生活を送っていると考えられる。

 岡山の昼食の取り方で東京と比べて非常にユニークなのは自宅で作った弁当を持参するという人が50%以上いることである。これに比べて東京の人は社外の飲食店や社内食堂を利用している人が多い。東京は人口が多いので職場の近くに多くの飲食店があることもその要因の一つと推測される。

 また、東京では昼食後にコーヒーか紅茶を取る方が岡山に比べて15%程度高い。岡山の人がコーヒーや紅茶が嫌いなのか、あるいは嗜好品を嗜まないのか判断に迷うところである。いずれにしても岡山は「弁当持参派」が多く、自分で作った「お弁当」を食べている方が多い。岡山は東京と比べると堅実なライフスタイルの地域と言える。スーパーなどはこの特徴を念頭に食材の商品構成を考えてはどうだろう。

本誌:2017年4.17号 9ページ

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