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お茶に関するもてなしマナー

 いつも、河村まどかのコラムをご覧頂きまして誠に有難うございます。お昼に、少々お値段のはるお洒落なお店へランチに伺いますと、大人年齢の女性の割合が大変多いように思います。ほとんどそうであるとお伝えしても過言ではないかもしれません。私たち女性が、自由に外出を楽しむことのできる、時代の変化の有り難さを、過去の映画やテレビドラマを通じ感じることもが、最近の私の環境では多かったように思います。

 その反面、「ちょっと 妻が出かけておりましてね」と、ご自身でコーヒーを淹れて下さる貴方様にお会い致しましたり、いつもの秘書のお方が外出をなさっている時間にお邪魔してしまいまして、他の事務担当のお方にお願いするのは気が引ける貴方様の一面を垣間見ることがあり、貴方様が御自ら慣れないお茶を淹れて下さったのも印象的でした。貴方様が、ご自身でお茶をお淹れになるなんて、私の辛口のお行儀コラムが、甲を即してきたのかと、大変うれしく思っております。

 そこで、この度は、貴方様へ お茶でのおもてなしマナーについて、こっそりお伝えすることに致します。貴方様におかれましては、社内のマナー研修時に貴方様が同席なさるお時間も許さないことでしょう。ここで、基本中の基本のマナーだけでも、押さえておきましょう。

 ①コーヒーや紅茶は、お客様の右側から出します。お立場ある貴方様が、わざわざお客様の右側にお立ちになるのは、お客様も恐縮なさるかもしれませんね。貴方様の場合は特別に、お客様の前側からになさいますか?その場合には、「前から失礼」など、マナーの基本を心得ているからこそ発することができる一言で、貴方様の品格が倍増することでしょう。ただし、貴方様がなさっているからといって、他の社員の皆さまが、貴方様の行動を正しいと思い真似をなさることのないようにお気を付けください。

 貴方様が、「まさか?」と思う行動が、現場では起きているのです。「仕事が超一流にできる人材=マナーの知識が完璧」とは限らない状況を、多く目にしてきました。

 ②貴方様から、お茶どころか、お菓子までお出し頂けるなんて、なんて光栄なことでしょう。その場合は、お客様から見て、お菓子が真ん中、お菓子の右側に飲み物を置きます。お気遣い頂き、お饅頭までお出し頂き恐縮なのですが、ちぐはぐな位置に置いて頂きますと、通常の位置に戻したいのは山々なのですが、貴方様がせっかくお出し下さった状況を変えるなんて、貴方様に大変失礼な行為なので困惑してしまい、なんだか違和感が残るまま、有り難く頂戴することになります。

 ③貴方様がお出し下さったせっかくのお茶ですので、頂きたいのは山々なのですが、お茶をお出しになる時に、「どうぞ」と一言お伝えになっていたとしても、貴方様が改めて落ち着いてお座りになった後に、もう一度、「どうぞ」に値する言葉をかけてあげてください。貴方様がお思いになっている以上に、お相手は恐縮なさって、お茶を口にできないものなのです。受講者様からのマナーに関する悩みの中で多く頂く項目として、貴方様の前で、目の前に出されたお茶を飲むのは緊張し、いつ飲むと失礼に当たらないのか?との質問をよく受けます。貴方様がいつもにないことに、御自らお出し下さったお茶が、手をつけられないままであるのも残念に思います。

 決して、貴方様がせっかくお出しになった行為を否定しているわけではありません。あくまでも、辛口マナーコラムの職務上、私の創造に基づき作成した物語にすぎませんのでご安心くださいませ。

 貴方様のお淹れ下さったお茶は、大変有り難く心温まる気持ちになることができます。何十年もご自身でお茶一つ淹れたことのない貴方様も、個人的には素敵であると思いますこと申し添えます。

本誌:2016年11.21号 23ページ

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