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[相続] 経営者の死亡退職金の活用

Q.経営者の死亡退職金・弔慰金は相続対策の切り札になるといわれていますが、ご存知でしょうか。

相続対策の有効な手段

A. 経営者の死亡により、相続人が受け取った死亡退職金・弔慰金は、相続・事業承継のさまざまな局面において活用することができます。具体的には、

① 株主から自社株を買い取るための資金ができる。
② 遺産分割における代償分割交付金として活用できる。
③ 相続税の納税資金を確保できる。
④ 遺族の生活資金を確保できる。

 いつ万が一の事態になっても死亡退職金・弔慰金支払いに対応できる原資としては、生命保険が有効です。

 役員の死亡退職金・弔慰金は、配偶者が受取人になっていることが一般的です。しかし相続・事業承継を考えた場合、後継者に死亡退職金を渡したいケースが多いのも事実です。この死亡退職金の受取人は、「役員退職慰労金規程」で指定することができます。

 このように役員の退職金・弔慰金を支払うには、事前に会社で「役員退職慰労金規程」および「弔慰金規程」をそれぞれ準備しておく必要があります。「役員退職慰労金規程」がないと、様々な問題が生じます。

① 「役員退職慰労金規程」がないため、支払われた役員
 退職金が不相当に高額だとして、損金算入が否認される
 可能性が生じる。
② 役員退職慰労金の支払いには株主総会の承認が必要な
 ため、「役員退職慰労金規程」がないと、支払い根拠が
 不明瞭で株主からの納得が得られにくい。 
③ 「役員退職慰労金規程」がないと、会社に入った死亡
 保険金が借入金の返済や設備投資に優先され、遺族に
 確実に退職金が支払われる保証がない。

 死亡退職金は、みなし相続財産として相続税の課税対象となりますが、生命保険金等の非課税金額と同様、法定相続人1人につき500万円までが非課税財産となります。

 また弔慰金は原則非課税です。相続税法上では、業務上の死亡の場合は役員最終報酬月額の3年分、業務外の死亡の場合は6カ月分までが上限で、この金額を超えた分は死亡退職金に繰り入れられます。また「役員退職慰労金規程」とは別に「弔慰金規程」を設けていないと、全額役員退職金扱いとなります。

三井生命保険㈱岡山支社長 冨谷拓真 氏
岡山市北区幸町8-29 三井生命岡山ビル6F
TEL 086-232-2011

本誌:2016年10.24号 25ページ

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